桃源郷

【漢字】桃源郷
【読み】とうげんきょう
【意味】中国の伝説に登場する山奥の楽園地からきた言葉で、現実とは思えないほど美しく癒される体験や場所。
【例文1】家族旅行で桃源郷の旅に出かける。
【例文2】疲れた身体に癒しを求めて桃源郷を見に行く。
【例文3】桃源郷に見とれる。

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桃源郷とは

桃源郷という考えは、陶淵明が記した「桃花源記」に出てきます。桃源郷へ再度行くことは不可能であり、目的を持って行こうとしては行けないという場所であると記されています。日常生活をよりよくすれば理想郷へ行くことができるという迷信を否定しているのです。では、桃源郷というのはユートピアと同じなのでしょうか。これが、全く対局にあるのです。ユートピアは理想社会を実現しようとしますが、桃源郷は理想社会の実現を諦めるという考えなのです。
それではなぜ桃源郷が現代では、理想的な素晴らしい世界と思われているのでしょうか。それは、道教の思想や伝説と結びつき、特に仙人思想と結びついてたからなのです。山で迷って仙人に合うとか、仙人になるための食べ物が桃も実であるとかから桃の林の奥にはある桃源郷は仙人の住まう場所という説話が生まれたのです。また、西王母伝説に不老不死の為の仙桃というのもあり、それも桃源郷の説話の一端ともなりました。
中国の伝説からの言葉ですが、現代では花が咲き乱れる美しい場所を桃源郷と言ったりします。また、それを代名詞にしてキャッチフレーズとしていたりしますから、耳にすることも多いでしょう。春の初めの頃、中央線に乗り山梨へ向かうと、窓外にピンク色の一帯が広がります。桃の花が一面に咲いているのです。のんびりした場所であるからか、そんな風景はまさに桃源郷という言葉がぴったりです。