去る者は追わず、来る者は拒まず

【漢字】去る者は追わず、来る者は拒まず
【読み】さるものはおわず、くるものはこばまず
【意味】自分の元を去っていく者は引き止めず、自分の元に頼って来る者は誰でも受け入れる。
【例文1】去る者は追わず、来る者は拒まずのような恋愛をしている。
【例文2】去る者は追わず、来る者は拒まずだ。放っとけばいい。
【例文3】別れたいなら別れればいい。去る者は追わず、来る者は拒まず。

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企業にも去る者は追わず、来る者は拒まずの精神がほしい

「去る者は追わず、来る者は拒まず」とは、辞めたい人に対して引き止めず、その道を目指す人は歓迎することを意味します。これは現代社会でも意味合いが伝わることわざで、特に社会人の方たちに向けて伝わる言葉ではないでしょうか。
最近は辞めたくても辞めることができないブラック企業の存在がテレビのニュースなどで話題となっています。人材を使い捨てのように扱う企業も残念ながら存在する世の中で、人材流出を防ぐために辛くても辞めさせない事例もありますね。
去る者は追わず、来る者は拒まずの精神は、しっかりとしたホワイト企業に通じることわざでしょう。転職のしやすさは「去る者は追わず」だし、人材育成に定評がある企業では、職種関係なく「来る者は拒まず」と広い間口で募集をしています。
「若い内は我慢して仕事を続けるべきだ」という考えも納得しますが、自分に合う職種を探すためにも、若い内に転職を経験するのも悪くないはずです。転職をすることがいけない風潮を感じることがあるので、もっと世の中と企業側が「去る者は追わず、来る者は拒まず」の精神が根付けば働きやすい世の中になっていくと思います。しかし転職者に対して厳しい現状が続いていますね。

去る者は追わず、来る者は拒まずは正しいか

元になっているのは古代中国の文書「孟子」の「往く者は追わず来る者は拒まず」です。
自分の考えに賛同する人は誰でも受け入れるし、自分から離れたい人をあえて留めようとはしないという意味です。
支配的でない点については評価できるのですが、離れていこうとする知人を全く引き止めないという姿勢は多少ながら薄情にも思えます。
学派や組織を束ねるトップとしては正しい姿勢なのかもしれませんが、離合集散が繰り返される現代の政党政治などに思いをめぐらすと些か複雑な心境です。
個人の思いなど二の次で、昨日の敵が今日は味方、明日はどうなるか見当もつかないとなると、誰が何を求めていたかすら判然としなくなることすらあります。
主義主張が食い違っていても、組織の都合で意見が集約されてしまう様を見ると、議会や民主主義とは一体何だったのかと問いただしたくもなるでしょう。
そこらの食材を適当に混ぜて煮込んだ料理とすら言えない代物を出されたような気分です。
小さな会社であっても、雇い入れるときには十分に人物を吟味しますし、いきなり辞職しますなどと言い始めれば当然の如く引き止められるでしょう。
人と人の関係は簡単に切ったり繋がったりするべきものではありません。
その点を考慮したならば、去る者は追わずで安直にさようならとはならないと思うのです。