杖に縋るとも人に縋るな

【漢字】杖に縋るとも人に縋るな
【読み】つえにすがるともひとにすがるな
【意味】杖には縋っても人の助けに頼るなと言う戒め。
【例文】杖に縋るとも人に縋らないで先ず自分で考えよう。

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「杖に縋るとも人に縋るな」は正しいのか

「杖に縋るとも人に縋るな」という言葉の意味は、安易に人に頼ってはいけないという意味です。
「自己責任」「人に迷惑をかけてはいけない」というのは、現代の日本でもよく言われていることですね。
しかし、本当にそれが正しいのでしょうか?
たしかに、杖があれば歩けるのなら、人に助けてもらう必要はないかもしれません。
頑張れば自分の力で歩けるのに、人に頼ったり車いすを使ったりしていては、足腰が弱ってますます歩けなくなってしまうかもしれませんよね。
でも、杖をなくしてしまったり、壊れてしまったら?足が痛くなったり、とても疲れてしまったら?
そんなときも無理をして人に頼らず、自分一人で何とかしようとする必要はないのではないでしょうか。
人はみな、一人で完璧に生きていくことなどできません。食べ物ひとつとっても自分一人では作れないし、きれいな飲み水だって自分で作るのはとても大変です。
誰かのために働くから給料がもらえて、生活できるのです。
だから、自分にできないことは人に助けてもらって、そのぶんほかにできることがあれば誰かの役に立てばいいのではないでしょうか。
人にはそれぞれ苦手なことと得意なことがあるのだから、苦手なことは得意な人に頼んで、自分は得意なことを活かせばいいのです。

「杖に縋るとも人に縋るな」から私が思い出した新入社員時代のこと

「杖に縋るとも人に縋るな」という言葉は、一部の人には耳が痛く感じることでしょう。
この言葉は、安易に他人を頼ったり、助力を求めてはいけない、といった意味で使われます。

私自身、社会人になったばかりの時は、この言葉がグサッと刺さるような出来事がありました。

私は美容の職に携わっていて、完全に技術が物を言う世界で働いています。
しかし、働いたばかりの時は技術も未熟であるため、なかなか一人の戦力として扱われることが無かったのです。
そこで奮起する性格なら良かったのですが、その環境に甘んじていて、先輩を常に頼るようになっていました。

そんなある日、私は急遽一人で現場を任されることになり、誰の力も借りられない状況に出くわすこととなりました。
今まで周囲に頼っていた私は、まさかの展開にとても慌てました。
そして、案の定お客様に満足してもらえるような結果を出すことができなかったのです。

その時初めて、自分で力をつけることの大切さを感じました。
周囲と協力することは仕事をする上で需要ですが、頼りきるということでは自分自身成長がありません。
思い返すと甘ったれの自分に腹が立ちますが、こうした経験があったからこそ、向上心が芽生えたのだと思います。

「杖に縋るとも人に縋るな」という言葉は、新入社員に覚えておいてもらいたいものですね。