鰻の寝床

【漢字】鰻の寝床
【読み】うなぎのねどこ
【意味】奥行きが細長い場所。建物。
【例文1】反物を張り渡す作業スペースが必要なので、鰻の寝床が適している。
【例文2】密集地の狭小住宅で鰻の寝床だ。
【例文3】子どもが走り回るので鰻の寝床が最適だ。

鰻の寝床をテーマにした記事

鰻の寝る場所は本当に「鰻の寝床」だった 

「鰻の寝床」は入り口が狭く、細長い建物なんかを例えて言った言葉で、かつて京都の町では家の税金、今でいう固定資産税を間口(玄関)の広さを元に決めていたため、住人はできるだけ税金を安くするために、間口を狭くして細長い建物をたてたそうです。そんな家を、細い生き物の代表格であるウナギを使って「鰻の寝床」と言ったのが語源だという一説があります。
ところで、ウナギは実際にはどんな所で寝ているのでしょうか?まずウナギが生まれるのは海です。ニホンウナギの場合マリアナ海域で生まれたウナギの稚魚が日本まで泳いでくると考えられています。この稚魚のことをシラスウナギと呼び、シラスウナギを収穫して育てたウナギが養殖ウナギと呼ばれるもので、卵から稚魚、成魚、そして産卵させる完全養殖は、現在でも研究中です。
よって、ウナギの稚魚がどのようにして寝るのか、又は成魚が海の中でどのようにして寝るのかは余り分かっておりませんが、ペットとして又は食用前に一時的に飼われているウナギは、細いパイプ状のものの中に入って寝ることが観察されています。もちろん例外もいて、広い場所で堂々と寝てしまう固体も報告されてはいます。
つまり、ほとんどのウナギは正に「鰻の寝床」のような場所で睡眠をとっているのです。細い筒状のものを使ってウナギ漁をするのもこの性質を利用したものだと考えられます。

鰻の寝床的な建物には長所がたくさんあります

昔は鰻の寝床的な建物が各地に存在していて、今でも古い町並みを残しているような場所では、この鰻の寝床的な建物が存在していところがあります。
間口が狭くて奥行きが長いこの鰻の寝床形状の建物は、一見すると使いにくいように思えてしまいます。
ですが実際に住んでみると、意外と使い勝手が良い事に気が付くのです。
特に店舗と住まいを兼ね備えている場合には、この鰻の寝床的な建物の方が使い勝手がいいと言えます。
例えば道に面した側に店舗を構え、奥に住居を構えるようにすれば、店と住まいを分離する事が出来ますから、モノを売るにしても、生活をするにしても、使い勝手がいいと言えるのです。
またモノを作って売るお店の場合は、人通りの多い道に面したところに店を置き、奥に工場などを設置すれば、衛生的にも良いと言えます。
鰻の寝床的な建物は縦に長い構造をしていますから、風が通り易くなっています。
ですから夏季などの気温が高い時期には、風が良く通り、涼しく過ごす事が出来るのです。
クーラーなどの人工の風ではなく、自然の風に因って涼しくする事が出来ますので、人間の体にとても良いと言えます。
このように鰻の寝床的な建物には、良い面が数多くありますから、もしこれから家を建てようとお考えの方は、検討してみるのも良いと思います。