例に漏れず

【漢字】例に漏れず
【読み】れいにもれず
【意味】いつも通りという意味。
【例文1】講習参加者は例に漏れず毎回女性ばかりだ。
【例文2】今年もまた例に漏れず寂しいクリスマスシーズンを過ごす。
【例文3】例に漏れず年末年始の高速は大渋滞だ。

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「例に漏れず」は、もはや死語?

「例に漏れず」を辞書で調べてみると、「いつもと同じで、例外ではなく」とあります。
また、「例によって」「例のごとく」「ご多分に漏れず」など、似たような意味の言葉もいくつかあります。
どれも古めかしい言い方ですが、「いつもと同じように」「みんなと同じように」と言い換えればわかりやすいのではないでしょうか。

最近、「これらの言葉の意味がわからない」という意見を目にする機会が増えてきたように感じます。
一体、なぜなのでしょうか。

まず考えられるのは、単純にこの言葉に触れる機会がなかったか、あっても関心がなかったということ。
国語の教科が嫌いだった人、読書の習慣のない人に多いかもしれません。

もう一つ、理由として想像するのは、「例」「ご多分」という考え方自体が、どんどん古びているのではないかということです。
「例」「ご多分」とは、「これまでにあった状況」「広く一般的な状況」を指します。
そして、これらの言葉が、いま少しずつ死語になりつつある。
言葉=認識だとしたら、その認識そのものが死につつあるのかもしれない、と思うのです。
「これまでにあった状況」も、その時その時の個別なものと捉えられ、共通性が理解されていない。
「広く一般的な状況」に至っては、この多様性の時代、最もレッドリストに載っている考え方ではないでしょうか。

「例に漏れず」……ひとつの言葉と、それを取り巻く状況から、時代が見えてくるような気がします。