「踏んだり蹴ったり」とは、立て続けに悪いことが起こるという意味の慣用句です。
語源
「踏んだり蹴ったり」の語源は、江戸時代の浄瑠璃や歌舞伎に見られる表現です。当時、武士は刀を腰に差しており、歩く際に誤って刀で足を踏んだり蹴ったりすることがありました。このことから、「踏んだり蹴ったり」という言葉が、「立て続けに悪いことが起こる」という意味で使われるようになりました。
意味
「踏んだり蹴ったり」は、単に悪いことが起こるだけでなく、その状況がさらに悪化したり、不幸が重なったりするニュアンスが含まれます。
例文
- せっかく就職が決まったのに、入社前に交通事故に遭ってしまって、踏んだり蹴ったりだ。
- 試験勉強を頑張っていたのに、当日に体調を崩してしまい、踏んだり蹴ったりだった。
- 彼女にフラれたと思ったら、仕事でもミスをしてしまい、踏んだり蹴ったりだ。
使い方
「踏んだり蹴ったり」は、自分の不幸を嘆いたり、愚痴を言ったりする際に使われます。また、気の毒や同情の気持ちを表現する場合にも使われます。
類義語
- 不幸続き
- 災難続き
- 泣きっ面に蜂
- 追い打ちをかける
- 雪の上を走る
- 不運のどん底
- 八方塞がり
- 進退窮まる
英語訳
- have a run of bad luck
- go from bad to worse
- have one's troubles in bunches
- pile on the agony
- rub salt in the wound
- be down on one's luck
- be at the end of one's tether
- be in a desperate situation
その他
「踏んだり蹴ったり」は、ネガティブな印象を与える表現なので、使う際には注意が必要です。
例:
- 今年の夏は、台風が連続して襲来して、観光業は大打撃を受け、踏んだり蹴ったりだ。
- あの会社は、最近立て続けに不祥事を起こしており、踏んだり蹴ったりだ。
- 彼は失業してしまい、家賃も払えず、まさに踏んだり蹴ったりの状態だ。