丼勘定

【漢字】丼勘定
【読み】どんぶりかんじょう
【意味】丼とは器ではなく職人の前掛けを指す。昔の商売人が前掛けのポケットから勘定することからきた言葉。手元にあるお金で支払う。または大まかな勘定をいう。
【例文1】丼勘定で家計簿を付ける。
【例文2】丼勘定で計算する。
【例文3】丼勘定で支払う。

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丼勘定で済むのは独身のときだけと感じています

私は子どものいない専業主婦ですが、夫が働いて得たお給料の管理は任されています。
夫婦2人の食生活や、快適に暮らすための日用品、ちょっと贅沢をしたいときの外食費、たまには2人でのんびりしたいと出かける温泉旅行の費用など、やりくりは私にかかっています。
教育費が不要だからこそ、私は専業主婦という呑気な身分でいられますが、
よそ様に比べ、特に我が家の経済状況が良いわけではなく、悪いというわけでもありません。

しかし、独身の頃のように、私自身が働いて得たお金を、私自身が使うのとはわけが違います。
夫が外で頑張って働いて得たお金ですから、当然、丼勘定で済ませるわけにはいきません。
そんな考えから、私は結婚当初から家計簿を欠かさずつけています。

こういうと、なんてマメでしっかりした妻かと誤解する人もいます。
しかし、実際の私は、丼勘定どころか、穴が開いているのではないかと、財布をひっくり返してみるほどの経済観念の持ち主です。
私を信用して家計を任せてくれている夫を裏切らないために、頑張って管理しているに過ぎません。
毎日のように家計簿と電卓に向かっている私の姿を、もしも実家の父と母が見ることがあったら、
「これはうちの娘ではない!」と言われてしまうかもしれません。

丼勘定の「丼」は牛丼の丼ではない?そもそも丼って何?

大ざっぱな金勘定をすることを「丼勘定」と言います。今でもよく使われる言葉ではないでしょうか。私は自営で商売をやっていますので、丼勘定は厳禁。すべてのお金の出し入れは、常に細かく正確にしなくてなりません。ところで、この言葉の語源ですが、ここで使われている「丼」は、われわれのなじみのある牛丼の「丼」ではないようなのです。今は目にすることがほとんどなくなりましたが、昔の職人さんが身に着けていた腹掛けの前の方についていた、物を入れておく部分のことを「どんぶり」と言ったのだとか。大工さんや左官さんなどの職人さんはそのどんぶりの中にお金を入れておいて、無造作に出し入れしていたところから、大ざっぱでいい加減な勘定のしかたのことを丼勘定と呼ぶようになったのだと言います。その「丼」ですが、語源は主に2つあるようです。一杯の器に盛り切りにした食べ物を売る飲食店の「慳貪(けんどん)屋」から来たという説と、物を無造作に放り込むときの「ドボン、ドブン」という擬音語から来たという説です。「丼」という漢字が、「井戸の中にものを投げ込む」というところから作られたということを考えれば、後者、つまり「ドブン」というオノマトペに由来する説のほうが正しいような気がします。