笠に着る

【漢字】笠に着る
【読み】かさにきる
【意味】権力のある者を頼りにして威張る。
【例文1】社長の息子だと言って笠に着る。
【例文2】部長に気に入られているからと笠に着る。
【例文3】コネ入社のくせに笠に着る。

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「笠に着る」帝も断るかぐや姫

「笠に着る」とは権勢あるものを頼んで威張る。自分の施した恩福などをいいことにして勝手なふるまいをするという意味です。かぐや姫の物語はご存知ですね。竹から生まれた美しい姫君。その噂を聞きつけて何人もの人が求婚しにきますが、最後に5人だけが残ります。その5人の貴族たちに「かぐや姫は自分の所望する品を贈ってくださった方と結婚する」と言いだします。しかし、その品物とはまさしく無理難題でした。石作皇子には仏の御石の鉢。インドに1つしかないという高級品です。車持皇子には中国にあるといわれている蓬莱の玉の枝。根が銀、茎が金、実が真珠の木の枝というもの。右大臣阿倍御主人には中国にある火鼠(ひねずみ)の裘(かわごろも)。その毛を織って作った布が火に燃えず、汚れても火に入れると真っ白になるという特別なものだそうです。大納言大伴御行は竜の首に光る玉。中納言石上麻呂足には燕(つばくらめ)が持っている子安貝。どれも伝説の産物かと思うような品々です。誰もがその品を手に入れようと挑戦しますが、結局入手できず、かぐや姫は貴族5人の求婚を断ります。そこへ、帝が笠を着ていきなり求婚します。帝に逆らえば育ててくれたおじいさん、おばあさんも殺されてしまうかもしれません。かぐや姫はとうとう月に帰ることを打ち明けるのです。そして、帝の差し向けた兵が突然眠ってしまった隙に、別れを告げて月からの迎えとともに帰っていくのです。