行きがけの駄賃

【漢字】行きがけの駄賃
【読み】いきがけのだちん
【意味】あることのついでに他の事もして利益を得る。
【例文1】移動中も英単語を聴けば効率がいい。行きがけの駄賃だ。
【例文2】ヒッチハイクは出会いもあり、行きがけの駄賃だ。
【例文3】旅先で素敵な女性と出会い行きがけの駄賃だ。

行きがけの駄賃をテーマにした記事

行きがけの駄賃が割り込む隙間も無いです

巡回セールスマン問題をご存知でしょうか。
複数の目的地を巡った後、出発地点に戻るのですが、その際のコストが最小になる経路を求めようという問題です。
考えられる経路のパターンは目的地が多くなればなるほど膨大な数になるので最適解を短時間で導き出すことは難易度が高いです。
運送会社の配車計画を立てる役が、限りある輸送手段で荷物を配り終えようとするのに毎日四苦八苦しているのはこのためです。
ある届け物をする場所の近くに他の配達物があれば当然それも積載させて届けさせようとします。
余禄で配達するという行きがけの駄賃などでは無く、荷のひとつひとつ全部が本命の本業です。
トラックには向かう方面で配達可能な荷物を、先に配る荷は入り口手前、後で配る荷物は奥の方にぎっしり詰め込みます。
積載ギリギリまで詰め込み可能な限り、効率よく荷物を取り出し配達することが求められるのです。
そうでもしなければ、売り上げから人件費や設備費を引いた上で算出される儲けを出すことは出来ません。
このような世知辛い状況は運送業だけでなく、他の業種にあっても見られます。
成果を出すにはコスト削減、とにかく効率が重視される社会が完成されつつあります。
いちおう時間的・精神的・体力的な余裕も考慮されますが、それすらも損失を最小限にするための効率化であると思うと泣けてきます。

「行きがけの駄賃」お駄賃をもらう経験とは

「行きがけの駄賃」とはある事をするついでに他の事をすることやついでに他の事をして利益を得ることを言います。馬子が馬を引いて荷物を取りに行ったり届けたりするついでに空馬を利用して別の荷物を届けて手間賃を得たことに由来しているそうです。馬子と呼ばれる今の運送業者が由来になっているように現代の運送業者もトラックを空で走らせることのないよう工夫して「行きがけの駄賃」を得ていますよね。「駄賃」とは荷物や人を駄馬に乗せて運ぶときの運賃のことです。馬に乗せて運ぶだけの仕事に対する賃金という意味から簡単な仕事に対して支払う賃金にも「駄賃」が使われるようになりました。ちょっとした仕事に対する賃金の意味で「駄賃」が使われるようになったのは江戸時代の頃だそうです。身近なところでは子供の頃にお母さんにお使いを頼まれたり家事のお手伝いをすると「お駄賃」がもらえて嬉しかったのを覚えています。懐かしい話ですが最近では「お駄賃」を払う親も「お駄賃」をもらう子供もいないかもしれませんね。しかしこれは仕事することに対して報酬が支払われることが体験できる良い経験になるはずです。小さいお子さんがいらっしゃる方はぜひお子さんに体験させてあげてください。