捲土重来

【漢字】捲土重来
【読み】けんどちょうらい
【意味】土を巻き上げる勢いが再び来るということから、一度は失敗したが、再び巻き返す体制に入る。
【例文1】会社が捲土重来で軌道に乗り出す。
【例文2】捲土重来の見込みがない。
【例文3】二代目が継いで捲土重来。

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一回の失敗がなんだ!「捲土重来」で巻き返そう

そもそも「捲土重来」ってなんて読むのでしょう。答えは「けんどちょうらい(またはけんどじゅうらい)」です。これは杜牧という唐の時代の詩人が書いた詩から発生した故事成語です。
「勝敗は兵家も事を期せず、羞(はじ)を包み恥を忍ぶは是れ男児、江東の子弟(してい)才俊(さいしゅん)多し、土を巻き重ねて来たらば未だ知るべからず」。少々長いですが、「戦の勝敗は兵法家であっても完全に予測することは不可能だ。戦闘の末敗れてしまっても、羞恥心を包み隠し堪え忍ぶことが出来るものこそ男の中の男というものだ。江東の若者達はみな才能があるのだから、土埃を上げて闘いに舞い戻れば再び勢いを取り戻して天下分け目の大合戦を繰り広げることが出来ただろうになあ(そうしなかったのは残念だ)」という意味で、かの有名な項羽と劉邦の戦いに思いを馳せた詩になっています。
歴史の中で劉邦に敗れた項羽は敗北により傷付いたプライドを捨てきれず、戦うことを諦めて自害してしまいますが、実際の所その劉邦の方はといえば項羽に打ち負かされてもしぶとく立ち上がって何度も何度も挑戦した末に大勝利を収めているのです。一回の失敗でくじけてしまう武将と、何度失敗してもくじけずに立ち向かう武将であれば後者の方が結果を残すのは当然でしょう。そういった故事から、捲土重来には「一度失敗したものが勢いで盛り返すこと」という意味の成語になりました。
現代人はとかく打たれ弱いと評されることが多い生き物です。我々も、捲土重来、一度の失敗で諦めずに恥を忍んで腕を磨いてさらなる飛躍を目指して生きていきたいものです。