足が付く

【漢字】足が付く
【読み】あしがつく
【意味】逃げている者の身元や行方が判明する。
【例文1】防犯カメラでひったくり犯の足が付く。
【例文2】ポケットのレシートから足が付く。
【例文3】ブレーキ痕からひき逃げ犯の足が付く。

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ラブレターの下書きから「足が付く」蜻蛉日記の夫

「足が付く」とは「逃亡者の足どりがわかること。また、犯罪事実解明のための証拠などが見つかること。よくない情夫ができること」の意味です。高校生が古典で習う「蜻蛉日記」は藤原道綱母が書いた日記です。平安時代の貴族社会においては一夫多妻の男性が女性の家に通う「妻問婚」でした。手紙の贈答から始め、三日間連続して通うと「三日夜の餅」が振舞われ、正式に婿として迎えられました。そんな結婚形態の中、藤原道綱母は家の文箱から夫が別の女性に書いた手紙を見つけてしまいます。夫は「外せない仕事があるから」と夕方、出かけて行きました。変だと思って召使に後をつけさせると「町屋の家に入って行きました」と報告があり、思った通りだと憤りますが、夫は
2、3日帰ってきません。3日めの夜、表の戸を叩く音がしますが、怒りのあまり、彼女は門を開けません。そして翌朝、このままにはしておくものかと「嘆きつつひとり寝る夜のあくる間はいかに久しきものとかは知る」という有名な和歌を詠むのです。一夫多妻制と慣習としてわかっていても夫を許せない妻の気持ち。それにしても他の女へのラブレターの下書きを家に残したりするから「足が付く」のです。夫の無神経ぶりもどうかと思いますね。