「天は二物を与えず」は、ひとりの人間に優れた才能や資質を二つも与えることはないという意味

「天は二物を与えず」は、ひとりの人間に優れた才能や資質を二つも与えることはないという意味の四字熟語です。何か一つのことに秀でている者は、別の面では欠点があるという考えを表します。

ポイント

  • 由来: 中国の故事から由来しています。戦国時代の趙の将・廉頗が、勇猛果敢である一方で、機略に欠けるという弱点を指摘されたという故事から、「天は二物を与えず」という言葉が生まれました。
  • 意味: 以下の2つの意味があります。
    1. ひとりの人間に優れた才能や資質を二つも与えることはない
    2. 何か一つのことに秀でている者は、別の面では欠点がある
  • 使い方: 以下の状況でよく使われます。
    • 誰かが一つの分野で秀でていることを称賛する一方で、別の分野では課題があることを指摘する時
    • 完璧な人間はいないことを示唆する時
    • 自分の弱点を自覚し、克服しようと努力する必要があることを諭す時
  • 注意: 才能や資質は生まれつきのものとは限らず、努力によって獲得することもできます。「天は二物を与えず」という言葉は、才能の限界を強調するものではなく、努力の大切さを訴える言葉とも言えます。

例文

  • 彼は天は二物を与えずの通り、数学の天才だが、コミュニケーション能力は苦手だ。
  • どんな優秀な人でも、天は二物を与えずで、何かしら欠点はあるものだ。
  • 天は二物を与えずだから、自分の弱点を克服しようと努力することが大切だ。

類似表現

  • 長所短所
  • 一長一短
  • 玉に瑕
  • 人は十全ではない
  • 完璧を求めるべからず

「天は二物を与えず」は、人間の性質や能力について考察する際に役立つ四字熟語です。才能と努力の関係性、長所と短所の両面性などを理解する上で、示唆に富んでいます。

その他

  • 「天は二物を与えず」の対義語としては、「天才」という言葉があります。こちらは、「生まれつき優れた才能を持つ人」という意味です。
  • 英語では、"no one is perfect" や "every cloud has a silver lining" などの表現が「天は二物を与えず」に相当します。

まとめ

「天は二物を与えず」は、ひとりの人間に優れた才能や資質を二つも与えることはないという意味の四字熟語です。才能と努力の関係性、長所と短所の両面性などを理解する上で、示唆に富んでいます。人間の性質や能力について考察する際に役立ててください。

参考URL:
天は二物を与えず(てんはにぶつをあたえず)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書