毒を食らわば皿まで

【漢字】毒を食らわば皿まで
【読み】どくをくらわばさらまで
【意味】毒が入った料理を食べてしまい、どうせ死ぬのなら皿まで舐めても同じ事だと開き直り悪事をそのまま続ける。
【例文1】もうこうなったら毒を食らわば皿までと開き直る。
【例文2】毒を食らわば皿までと罪を重ねる。
【例文2】毒を食らわば皿までと捕まるまでスリルを味わう。

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毒を食らわば皿までとは

「毒を食らわば皿まで」とは、悪事に手を染めてしまった以上は、もう戻ることはできないのでどこまでもそれに徹してやろう、どうせなら最後までやり通してやろうといったことのたとえです。
このことわざは、毒を食べてしまった以上はもう死ぬしかないのだから、どうせなら皿まで舐めてしまおうと言ったことから生まれたとされています。
毒を食らわば皿までと似たことわざとして「尾を踏まば頭まで」ということわざもあります。これは獣の尾を踏めば噛まれるかもしれないから同じ噛まれるのであればいっそのこと頭まで踏んでしまえというたとえです。
どちらも開き直った時に使うようなことわざですね。
悪い事を戒めることわざは多いですが、悪い事を進めることわざは珍しいです。しかしこの悪い事の悪には程度の違いもあります。この場合は悪の基準が難しく、中には「必要な悪」というものもあるぐらいですので、全てにおいて悪いことわざとも言えないと思います。
どちらにせよ誰もが悪だと思うものに対して、毒を食らわば皿までといった悪を進めるようなことわざがあるとは言え、開き直りやり通すようなことはあってはありませんので、限度をしっかり見極めることが大切ですね。

毒を食らわば皿までと言いますが

食器自体を食べてしまうのではなく、皿の上の料理を全て食べてしまう様子を表現しているようです。
皿の表面が見えるまでねぶり食べつくすを略して、毒を食らわば皿までなのでしょう。
そもそも皿を食べている状況など想像の及ぶところではありません。
大抵の皿は陶器、割って噛み砕いたとして口の中は傷だらけ、飲み込むことなど絶対不可能です。
魚の骨が喉に刺さったくらいでも激痛がはしるのですから、試してみるまでもないでしょう。
毒が入った料理を皿ごとバリバリと食べる様子、ちょっと想像してみましたが出来の悪いホラー作品のような狂気を感じます。
意味としては、「一旦悪事に手を染めてしまったなら後はもう悪の道を突き進むしかない」という何とも救いのない言葉です。
しかし、長い一生で一度も過ちを犯さない人間など稀ですし、悔い改めて罪を償い更正した人は大勢います。
好き好んで毒皿を平らげるような人間がいないように、最初から根っからの悪人など存在しないものと信じたいです。
まず大切なのは最初の一歩目で悪の道に入るのを拒むことです。
そして一旦足を踏み込んでも改心してやり直そうとする心が残っていれば、更正することは必ず出来ます。
良心の欠片でも残っているうちに思い直すことができることを切に願います。