手が上がる

【漢字】手が上がる
【読み】てがあがる
【意味】技術が上達する。
【例文1】新婚当時に比べて妻の料理が手が上がる。
【例文2】日曜大工の手が上がって次は収納棚を作る。
【例文3】書道の手が上がる。

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「手が上がる」と実感していきたいものです

「手が上がる」という意味は「腕が上がる」に似たようなものだと思います。
しかし、どちらかというと「腕が上がる」の方がよく使っています。

何となく私のイメージでは、手は手先だけなのに対し、腕は手から腕まで全体のことを指していて、後者の方が実力を備えたという印象があります。

私は「手が上がる」という言葉の捉え方は、別の意味だと思っていました。
親や祖父が叱る時に、「悪いことをすると手が上がるよ」と言われたような気がします。

今の時代に、親や祖父が手を挙げて叩いてしまったら、虐待とも言われかねません。
しかし、私の子どもの頃は、親が子を叱るときに叩くのは、けっこう当たり前だったような気がします。

それはかなり大きくなるまで続いていた家庭もあり、高校の同級生は「昨日父親に殴られた」と言っていました。

「手が上がる」という意味が全く違っているのを、大人になってようやく理解できるようになりました。
どんなことでも良いのですが、やはり実力をつけて、「手が上がる」または、「腕が上がる」ようになっていきたいものです。

おそらくこのことは一生の課題ではないかと思っています。
芸術家が納得できる作品が一生に一度あるかないかだ、という意味が何となくわかるような気がします。

「手が上がる」上がるのは腕前それとも飲酒量?

「手が上がる」は挙手のことではありません。「技量が上がること、お習字が上手になること、お酒の量が増えること」です。例えば将棋を指しているところで「良い手だ」と言えば肉体的な手の形状を褒められたわけではないのがわかりますよね。この場合の手は手法です。また、神社仏閣の装飾に使われている彫刻や、仏像が「誰の手だ」と言えば、この場合の手は彫刻家の技量、力量です。こうした時の「手が上がる」は「技量が上がる」ですね。また、字を習うことを「手習い」といい、最初から習わなくても字が上手な人を「手すじが良い」といいます。ですからここでの「手が上がる」は「お習字が上手になること」。最後の「お酒の量が増える」は手が代金を意味するところからきているようです。落語などで年の暮れに勘定をもらいに掛け取りがやって来る。借金取りが「酒手(さかて)を頂きに参りました」と言えば酒屋がお客のところにお酒の代金をもらいに来ているとわかります。昔はお酒もお米も盆暮れの年2回の支払いで掛け売りするのが当然でしたし、日用品だけでなく着物や調度品まで掛け売りで販売するところもありました。盆暮れは借りている方も、貸している方も必死です。一夜明けてお正月になれば、もう次に代金がもらえるのは半年後のお盆ですから大変です。ヘタを打てば身代に関わります。そこで落語では払いたくない方があれやこれやと逃れようと、珍妙な策を立てるというのが定番です。酒手が上がると言えば飲酒が増え、勘定が増えることですから、「酒量が上がる」の意味が出てくるのです。