毒気を抜かれる

【漢字】毒気を抜かれる
【読み】どくけをぬかれる
【意味】びっくりして呆然となる。張り合いがなくなる。
【例文1】友人が交際1週間で結婚宣言をして、毒気を抜かれる。
【例文2】子ども達が巣立ってしまい、しばらくは毒気を抜かれる状態だ。
【例文3】妻子が家を出て毒気を抜かれる。

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毒気を抜かれるほどの無邪気さは本物なのか

意表をつくような言動によりそこから先の行動をしようとする意思や気力を失ってしまうことを、「毒気を抜かれる」と表現します。
この場合の毒気は「どっき」と読むらしいですが、「どくけをぬかれる」でも意味は通じそうです。
悪意や害意・邪(よこしま)な心を指していて、生物の身体に悪影響がある毒とは違います。
小説やドラマなどの創作物の中では、無邪気な笑顔や裏表のない行動などにより毒気を抜かれて復讐や悪事を止めるシーンがあります。
ここで疑問なのは、そのような行動に計算された他意が隠されていないのだろうかということです。
復讐にしろ悪事にしろ、その行動を決意するに至るまでの経過は決して軽いものではないはずで簡単に覆るはずがありません。
それが何の意図もされない行動によって改心させられるなど、確率的にも効果的にも有り得ないように思えます。
世の辛酸を嘗め尽くし、ささくれだった心に他人の優しさを受けいけるだけの余裕など残っていないと考えるのが普通でしょう。
人間の心の暗黒面が簡単に浄化されるストーリーなど、御都合主義すぎて反吐が出ます。
と、ここまで書いて自分がどれほど悪意に晒され心が捻くれているのかに思い至ります。
毒気を抜かれそうになる状況を前にしても、疑り深く裏があることを邪推してしまうのはそれだけ人間として弱いからなのかもしれません。