「泥棒に追い銭」とは、盗人に物を盗まれたうえに、さらに金銭を与えることを意味する慣用句

「泥棒に追い銭」とは、盗人に物を盗まれたうえに、さらに金銭を与えることを意味する慣用句です。損をした上に、さらに損害を重ねることのたとえとして使われます。

由来

この慣用句の由来は、江戸時代の芝居の一場面からと考えられています。ある芝居で、泥棒が金持ちの家に忍び込み、金目のものを盗みます。しかし、金持ちはその泥棒に追い銭を与え、二度と盗みに来ないように諭します。

この場面から、「泥棒に追い銭」という言葉が生まれ、損をしたうえに、さらに損をするという意味で使われるようになりました。

使い方

「泥棒に追い銭」は、以下のような状況で使われます。

  • 悪い人につけ込まれて、お金や物をだまし取られたとき
  • 騙されて、損をしてしまったとき
  • 悪いことをしたうえに、さらに罰を受けたり、損害を被ったりしたとき

例文

  • カバンを置き引きされてしまい、貴重品だけでなく、現金まで盗られてしまったなんて、「泥棒に追い銭」だ。
  • 悪徳業者の話を信じて、高額な商品を買ってしまった。まさに「泥棒に追い銭」だ。
  • 彼は、会社のお金を横領して使い込んだだけでなく、それを隠蔽しようとして、さらに大きな損害を与えてしまった。「泥棒に追い銭」とはまさにこのことだ。

類義語

  • 二重の損
  • 三重の損
  • 泣き面に蜂
  • 踏んだり蹴ったり
  • 不幸の連鎖
  • 災難続き
  • 散々な目
  • 散々な目に遭う
  • 散々な結果

対義語

  • 一石二鳥
  • 幸運の女神が微笑む
  • 棚ぼた
  • 思いがけない幸運
  • ハプニング
  • 奇跡
  • 幸運
  • 幸せ

英語表現

  • to add insult to injury
  • to make matters worse
  • to rub salt in the wound
  • to be out of pocket
  • to be taken for a ride
  • to be cheated
  • to be swindled
  • to be scammed

まとめ

「泥棒に追い銭」は、損をしたうえに、さらに損害を重ねることのたとえとして使われる慣用句です。悪い人や状況につけ込まれて、損をしてしまったときに、よく使われます。

この慣用句を使うときは、自分がいかに損をしたのか、そしてその状況がいかにひどいのかを強調することができます。

しかし、あまり頻繁に使ってしまうと、愚痴っぽく聞こえてしまうので注意が必要です。

以下、「泥棒に追い銭」の故事来歴について、もう少し詳しく説明します。

この慣用句の由来は、江戸時代の浄瑠璃作品「勧進帳」の一場面にあるとされています。この作品の中で、山賊の盗兵衛は、金持ちの家に忍び込み、金目のものを盗みます。しかし、金持ちはその盗兵衛に追い銭を与え、二度と盗みに来ないように諭します。

この場面から、「泥棒に追い銭」という言葉が生まれ、損をしたうえに、さらに損をするという意味で使われるようになりました。

なお、この慣用句は現代ではあまり使われていません。日常会話では、「損をする」「だまされる」「騙される」などの言葉を使う方が一般的です。

参考URL:
盗人に追い銭(ぬすびとにおいせん)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書