忠言耳に逆らう

【漢字】忠言耳に逆らう
【読み】ちゅうげんみみにさからう
【意味】他人からの忠告は聞きたくないもので、素直に受け入れにくい。
【例文1】彼は弱点をつかれ忠言耳に逆らう。
【例文2】ごう慢で忠言耳に逆らう。
【例文3】意地っ張りで忠言耳に逆らう。

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「忠言耳に逆らう」ことで招いた悲劇

「忠言耳に逆らう」とは孔子の言葉で「忠言はとかく人の心に逆らってなかなか素直には聞き入れられない」という意味です。耳の痛い思いの方もあるのではないでしょうか。
「やって見せ 説いて聞かせて やらせてみ 讃めてやらねば人は動かぬ」の言葉で知られる、山本五十六はご存知でしょうか。真珠湾攻撃の時、連合艦隊司令長官として指揮をした山本五十六は、実は戦争に反対していました。時流に反して和平を唱え続けた五十六は、越後長岡藩で代々儒学を教えていた高野家に生まれています。儒学では仁、和の心について学びますから、それが彼の根底にあったとしても不思議ではありません。海軍兵学校に進んだ五十六はその後、山本家の跡継ぎとなります。米国駐在武官としてアメリカに赴任し、アメリカの国力を肌身に感じた彼は日本とアメリカの戦争への道筋に繋がる日独伊三国同盟に強く反対していました。それでも彼の忠言は聞き入れられることはなく、2・26事件が起こり、坂を転げ落ちるかのように開戦へ向かっていきます。そして山本五十六は開戦しても早期講話へ繋がることを願い、真珠湾攻撃という賭けに出ます。彼は昭和18年4月、最前線の将兵を激励するために載っていた飛行機が撃墜されて戦死します。あの時、若き将校や幹部たちが彼の忠言に耳を傾けていれば、第2次世界大戦は回避できたでしょう。戦争は悲惨です。2度と同じ過ちは繰り返してはなりません。