紺屋の白袴

【漢字】紺屋の白袴
【読み】こうやのしろばかま
【意味】染物屋の店主は染めていない白の袴を着ていることから、他人の事でいっぱいで自分の事は後回し。
【例文1】結婚相談所の経営者は紺屋の袴で50歳未だ独身。
【例文2】世のお母さんは子ども優先で紺屋の白袴だ。
【例文3】長年住宅営業マンだが、アパート暮らしで紺屋の白袴。

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「紺屋の白袴」「医者の不養生」に続きそうな床屋の話

「紺屋の白袴」「医者の不養生」はどちらも専門職でありながら自身の身の回りにそれが生かされていないことを指しています。
忙しすぎで自分自身のことにまで手が及ばないことから、他人のことを優先してしまっている状況を表現する際に使われます。
「紺屋の白袴」は、染物をしているにも拘わらず一滴の染みもつけずに作業する技前を指しているという説もありますが、あまり用例として聞き及びません。
ともあれ、他人のことばかりで自分のことが疎かになってしまうのは如何なものか、と先日散髪にいった床屋で思い至ってしまいました。
その床屋は全国チェーン店で職人は個々に雇われているだけのようでした。
店長らしい人も存在せず支払いは事前にチケットを購入することで済ませるシステムです。
4人の職人がいましたが、互いには一切干渉せず黙々と仕事をこなしている風でした。
来店した順序に順番待ちをして手の空いた職人に散髪してもらうので、直前までどの職人に当たるかは分かりません。
特に気にした事はなかったのですが、その日の理髪師の髪型にはかなり度肝をぬかれました。
なんというかお先にどうぞといいたくなるくらいに髪の手入れがされていません。
ぼさぼさの髪を無理矢理に縛ったような珍妙な髪型です。
クイズで周囲に人が住んでいない場所にある床屋に2人の理髪師がいるというのを思い出しました。
整った髪形の理髪師と、下手な散髪をされた理髪師のどちらを選ぶかと言う問題です。
互いに散髪しあうのですから下手な散髪をされた理髪師のほうが腕前がよいというのが正解です。
実際それに近い状況かもしれませんが、センスのなさはあからさまに伝わってきます。
結果的には真っ当な仕事をしてもらえたのですが、複雑な気分で床屋を後にすることになりました。