「兎死すれば狐これを悲しむ」は、中国の故事から生まれたことわざです。日本語では「うさぎしすればきつねこれをかなしむ」と読みます。
意味
- 同じ境遇にある者が、仲間の不幸を見て自分の将来を心配すること。
- 自分の身に降りかかるかもしれない不幸を予感して、悲しむこと。
- 類義語としては、「唇亡き齒寒し」、「明日は我が身」などが挙げられます。
出典
- 中国の戦国時代の政治家、韓非子の著作「韓非子」の中の「喩老」という章
故事
- 昔、兎と狐が仲良く暮らしていました。ある日、兎が猟師に捕まってしまいます。狐は兎が死んだことを知り、悲しみに暮れました。狐は、兎が死んだことで、自分も猟師に狙われるようになることを知っていたからです。
現代における例
- 会社の同僚がリストラされたことを知って、自分もリストラされるのではないかと不安になる。
- 友達が病気になったことを知って、自分も病気になったらどうしようかと心配になる。
教訓
- 他人の不幸は、自分にとっても他人事ではない。
- 常に危機意識を持ち、備えをしておくことが大切である。
類似表現
- 唇亡き齒寒し
- 明日は我が身
- 他山の石
- 前車の覆轍を踏まない
- 己の不覚を顧みずして人の不幸を笑う勿れ
対義語
- 無関心
- 冷淡
- 無情
- 無慈悲
- 冷酷
補足
- 「兎死すれば狐これを悲しむ」は、日本語だけでなく、中国語や韓国語などの他の言語にも同様のことわざがあります。
- このことわざは、人間関係や社会の仕組みについて、深い洞察を与えてくれます。