「覆水盆に返らず」とは一度してしまったことは取り返しがつかないことのたとえ

「覆水盆に返らず」とは、一度こぼれた水を盆に戻すことはできないように、一度してしまったことは取り返しがつかないことのたとえです。

意味

「覆水」は、こぼれた水、「盆」は、水を注ぐための容器です。いったん盆からこぼれた水は、元通りに盆に戻すことはできません。

このことわざは、過去に起こってしまったことは二度と元には戻せないという、人生の不可逆性を表しています。また、一度してしまった過ちを取り消すことはできないという、教訓的な意味も含まれています。

使い方

「覆水盆に返らず」は、以下のような状況で使われます。

  • 誤って大切な書類を破ってしまった。
  • 口約束を破ってしまい、信頼関係を失ってしまった。
  • 離婚してしまった夫婦が、再び元に戻ることは難しい。

例文

  • 彼は、ついカッとなって上司に怒鳴ってしまった。しかし、「覆水盆に返らず」という言葉通り、一度してしまったことは取り消せない。
  • 彼女は、彼氏に浮気されてしまった。もう関係を修復することはできないだろう。「覆水盆に返らず」だね。
  • 会社が倒産してしまった。もう元通りには戻らないだろう。「覆水盆に返らず」という言葉が頭をよぎる。

類義語

  • 覆水収め難し
  • 覆水不返
  • 覆水難収
  • 覆水不可収
  • 後悔先に立たず
  • 過ぎたことは仕方がない
  • 木已成舟
  • 覆水難收

対義語

  • 取り消せる
  • やり直せる
  • 修正できる

補足

「覆水盆に返らず」は、中国の故事から由来しています。殷の紂王の時代に、姜子牙という人物がいました。姜子牙は、紂王の暴政を諫めるために、わざと紂王の怒りを招いて国を出奔しました。その後、姜子牙は周の文王に仕え、周の建国に貢献しました。

紂王は、姜子牙がいなくなったことを後悔し、姜子牙を呼び戻そうとしました。しかし、姜子牙は、「覆水盆に返らず」と言って、紂王の呼びかけを拒否しました。

この故事のように、「覆水盆に返らず」は、一度してしまったことは取り返しがつかないという教訓を教えてくれます。

参考URL:
覆水盆に返らず - Wikipedia