「角を矯めて牛を殺す」とは、小さな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうことのたとえ

「角を矯めて牛を殺す」とは、小さな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうことのたとえです。

由来

  • 牛の曲がっている角を無理に矯正しようとして、肝心の牛を殺してしまうことから。

類義語

  • 矯枉過正
  • 過ぎたるは猶及ばざるが如し
  • 過ちては改むるに憚ること勿れ
  • 医者殺し
  • 良かれと思ってしたことが裏目に出る

例文

  • 子供の遊びを過度に制限すると、かえって好奇心を失ってしまう。「角を矯めて牛を殺す」にならないように注意が必要だ。
  • 彼はいじめの問題を解決しようと、いじめっ子を厳しく指導したが、かえって問題が悪化してしまった。「角を矯めて牛を殺す」典型的な例だ。
  • 彼女はダイエットに励みすぎて、健康を損ねてしまった。「角を矯めて牛を殺す」にならないように、無理のない範囲で努力することが大切だ。

使い方

「角を矯めて牛を殺す」は、教育や指導、改善などにおいて、過度な矯正や制限は逆効果になることを戒める時に使われます。

注意点

  • この慣用句は、小さな欠点を直すこと自体が悪いという意味ではありません。
  • 大切なのは、バランスを保ちながら改善を行うことです。

英語表現

矯枉過正:矯枉過正
過ぎたるは猶及ばざるが如し:Too much of a good thing can be bad.
過ちては改むるに憚ること勿れ:It is never too late to mend.
医者殺し:iatrogenic illness
*良かれと思ってしたことが裏目に出る:The road to hell is paved with good intentions.

その他

「角を矯めて牛を殺す」は、人間の性や社会の複雑さを表現する慣用句です。

物事を改善することは大切ですが、同時に様々な視点から慎重に検討する必要性を教えてくれます。

角を矯めて牛を殺す(つのをためてうしをころす)とは? 意味や使い方 - コトバンク