逃げるが勝ち

【漢字】逃げるが勝ち
【読み】にげるがかち
【意味】無駄な争い事をするくらいなら、遠ざかった方がよい。
【例文1】懇親会の三次会まで付き合わされツライ。次、店を出たらこっそり逃げるが勝ちだ。
【例文2】ケンカにならぬよう妻の小言には素直にハイ。と聞いておくのが逃げるが勝ちだ。
【例文3】黙って去るのも逃げるが勝ちだ。

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酔っ払いに絡まれたので逃げるが勝ちと思い逃げ出しました

大学時代の男性と久しぶりに再会したので、居酒屋でご飯を食べながら昔話で盛り上がっていました。
その頃、隣の席で飲んでいた年配の客たちが
「お姉ちゃんたち仲がよくていいねぇ」と、言ってきました。
酔っ払いのたわ言だから相手せずに、私たちは無視してしゃべり続けてていました。
すると今度は無視されたことに腹を立てたようで、また私たちに絡み始めました。
「どっから来たのぉ~?オイオイ、無視かよ~聞こえねえのか?」と立ち上がり
このまま無視しているとまずいと思い、適当にはいはいと相づちを打っていました。
すると「はいはいばかり言ってないで何とか答えろよ」と声を張り上げました。このままではお店の人にも迷惑になりますから、逃げるが勝ちと思い、そそくさ精算を済ませお店から出ました。
気分悪かったのでもう一軒静かなバーで飲みなおしました。

益なき勝負からは全力で逃げるが勝ちです。

勝ちに価値がないとはこれ如何に、すみません駄洒落です。
しかし実際のところ、勝っても仕方がないような相手や勝負は存在します。
時間・労力を無駄に使った挙句に得るものがない勝利は実に虚しい現実がまっています。
争いというものは大抵が自分の利益を得るため、最低でも現状維持を保つために発生するものです。
戦争などであれば負けた相手に賠償金を請求する、領土の割譲を要求する、国ごと支配下に置くなどが考えられます。
個人や小さな組織の場合で負けたほうが慰謝料を十分に払うことなどまず考えられません。
勝者は怪我をして負けたほうはもっとボロボロ、殴り合いの泥仕合では良く見かける光景です。
ボクシングのように自分が満足できるならば構いませんが、普通の生活をしている人間にそれを要求するのは無理が過ぎます。
無駄な争いは避けて平穏無事に日常を過ごし、適度に刺激を求める程度が一般的な社会人というものです。
それにもかかわらず、自分に非がなくても相手が勝手に敵視して喧嘩を売ってくる事件が発生した場合もあります。
理解のある人間が仲裁に入れば問題ありませんが、面倒くさがりな上司などは状況を無視して喧嘩両成敗で済ませようとします。
泣き寝入りになる事も避けたいですが、可能であればそのような迷惑者からは全力で距離をとる、すなわち逃げるが勝ちです。

「逃げるは恥だが」と「逃げるが勝ち」

「逃げる~」と聞くと、昨年の大ヒットドラマ、「逃げるは恥だが役に立つ」をつい連想して、そういえば日本にも「逃げるが勝ち」という諺があったという事をすっかり忘れてしまっていました。何となく意味が似ているこの言葉について、気になったので少し調べてみました。「逃げるは恥だが役に立つ」というのは、どういう意味があるのかと調べてみると、どうやらハンガリーの諺らしく、その意味は「戦う場所を選べ」との事で、つまりじ日本で良く言う「自分の土俵で勝負しろ」という事みたいです。
つまり同じ戦うにしても自分に有利な様にという事。一方、意味のない争いをしても勝っても何も残らないという事を意味する「逃げるが勝ち」と根本的に少し意味が違う様です。
無益な争いを嫌い、衝突せず調和を大切にしてやっていきたいという「逃げるが勝ち」という言葉は極めて日本人らしい諺なのかなと思いました。それは日本人のDNAに深く刻まれているのではないかと思います。仕事のディベートで、学校で、夫婦喧嘩にしても、相手を打ち負かして自分が勝ったとしても後に残る砂を噛むような気持ちを感じるのは日本人独特の物の様な気がします。それより「逃げるが勝ち」を選ぶのが「大人の対応」という事になるのでしょうか。