「鳶に油揚げをさらわれる」は、自分のものになると思っていた大切なものを不意に横取りされ、呆然とする様子

「鳶に油揚げをさらわれる」は、自分のものになると思っていた大切なものを不意に横取りされ、呆然とする様子のこと。

由来

このことわざは、江戸時代の町人の暮らしから生まれたと言われています。

当時、油揚げは貴重な食べ物であり、神社仏閣への供物としてよく使われていました。

一方、鳶は油揚げを好んで食べることで知られており、油揚げを運んでいる人から油揚げを奪っていくことがよくありました。

この様子から、「鳶に油揚げをさらわれる」という言葉が生まれ、大切なものを不意に失うことをたとえるようになりました。

意味

現代では、鳶に油揚げを実際に奪われることはほとんどありませんが、「鳶に油揚げをさらわれる」という言葉は、大切なものを失うという意味で使われています。

例えば、

  • せっかく努力して手に入れた仕事が、上司の横やりで奪われてしまった。
  • 長年貯めていたお金が、詐欺被害によって失われてしまった。
  • 楽しみにしていた旅行が、台風のために行けなくなってしまった。

のように、様々な場面で使われます。

使い方

「鳶に油揚げをさらわれる」という言葉は、名詞や形容詞の前に置いて使われます。

例えば、

  • 「鳶に油揚げをさらわれた」仕事
  • 「鳶に油揚げをさらわれた」夢
  • 「鳶に油揚げをさらわれた」チャンス

のように使われます。

例文

  • 彼氏は、彼女に他の男に言い寄られ、「鳶に油揚げをさらわれた」ような気分になった。
  • 会社の業績不振で、多くの社員が「鳶に油揚げをさらわれた」ように職を失った。
  • スポーツ選手は、ライバル選手に最後の瞬間に抜かれ、「鳶に油揚げをさらわれた」ような悔しさを感じた。

類義語

  • 月夜に釜を抜かれる
  • 鷲に掛けられる
  • 泣き面に蜂
  • せっかくの努力が水泡に帰す
  • 徒労に終わる

対義語

  • 思いが叶う
  • 目的を達成する
  • 計画通りに進む
  • 幸運に恵まれる
  • 思い通りになる

その他

「鳶に油揚げをさらわれる」という言葉は、比較的古い言葉ですが、現在でもよく使われています。

大切なものを失った時の気持ちを、簡潔かつ力強く表現できる言葉として、多くの人に好まれています。

まとめ

「鳶に油揚げをさらわれる」は、自分の大切なものを不意に失うことを意味する慣用句です。

大切なものを失った時の気持ちを、簡潔かつ力強く表現できる言葉として、多くの人に好まれています。

参考URL:
鳶に油揚げをさらわれる - ウィクショナリー日本語版