鳶に油揚げをさらわれる

【漢字】鳶に油揚げをさらわれる
【読み】とんびにあぶらあげをさらわれる
【意味】大事なものが不意に横から奪われる。
【例文1】仕事を理由に彼女を放っていたら、友人に鳶に油揚げをさらわれる。
【例文2】家庭をないがしろにして妻子が鳶に油揚げをさらわれる。
【例文3】グズグズしていたら鳶に油揚げをさらわれる。

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私が鳶に油揚げをさらわれた瞬間 

『鳶に油揚げをさらわれる』を辞書で引くと、『自分のものになると思っていたものを横から奪われ、呆然とする様』というような意味が出ます。私は子どもの頃このことわざ自体知らなかったのですが、大人になって意味を知った今、このことわざに深く共感します。小学生の時、私は両親と海に遊びに行きました。カモメと鳶、あとはカラスが何羽もぐるぐると空を旋回していたことを覚えています。浜辺には海の家がいくつも並んでいました。焼きそば、カキ氷、クレープなどなど、定番の海辺のご飯とおやつです。その中で私は両親に頼んでクレープを買ってもらいました。海の家なのに意外としっかりしていて、ちゃんとアイスまでのっていました。出来上がるまでとても楽しみでした。いざ屋台のおじさんにクレープを渡してもらいアイスから一気にかじりつこうとした時、顔の前をすごいスピードで何かが横切りました。鳶です。気付いた時にはもう私の手にクレープはありませんでした。鳶に奪われる時の勢いで落ちてしまったアイスだけが砂まみれで落ちていました。私の場合油揚げではなくクレープでしたが、実際鳶に楽しみを奪われた直後に撮った写真の私は、呆然自失という顔をしていました。

 

鳶に油揚げをさらわれるとは

「鳶に油揚げをさらわれる」とは、自分の大切なものや手に入れられると思っていたものを不意に横からさらわれることのたとえや不意に奪われて呆然としている様子のことを言います。
このことわざの由来は、鳶は普段空高くを悠々と飛んでいますが、獲物を見つけると空から素早く下降してきて獲物をさらっていくことからと言われています。なぜ油揚げなのかは、鳶の大好物だからというわけではなく、人間が神社へのお供えものとして油揚げがあり、それを奪って逃げたことから油揚げと言われています。「さらう」とは奪い取るや急に持ち去るなどと言った意味になります。
どこかの人に横取りされてしまった時などによく使われ例文としては「友人と同じ男性を好きになってしまいどちらが先に想いを伝えるかで言い争っているうちに彼に彼女が出来てしまった。言い争っていた2人はまさに鳶に油揚げをさらわれたような顔をしていた。」
「食堂で自分で最後の一個だったプリンを横から入って来た人に取られてしまった。鳶に油揚げをさらわれたよ。」などと言った使い方が出来ます。
自分の大事なものもいつ横からさらわれるかわかりません。鳶に油揚げをさらわれないよう大事なものはしっかりと持っておくようにしましょう。