口を尖らせる

【漢字】口を尖らせる
【読み】くちをとがらせる
【意味】口を突き上げて不満や文句を言う。
【例文1】彼はズバリ欠点を指摘されたので口を尖らせる。
【例文2】口を尖らせながらお小遣いの要求をする。
【例文3】愚痴が多く口を尖らせる。

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口を尖らせる表情を作る人を見たことがありません。

口を尖らせるとは不満があることを示す表現ですが、実際にそのような表情をする人はいないように思えます。
不満がある状況で取りやすい傾向にある表情といえば、「眉根を寄せる」「眉間にシワを寄せる」など目の周辺での表現が多いように感じます。
口を尖らせた状態では不平不満や文句など言うことができないはずです。
そういうことから考えると、不満はあるが立場上反論が出来ないでいる状況か、論理的に反論を構築できないでいる状況のいずれかに陥っているのでしょう。
口を尖らせる前に背を向けて立ち去っているのかもしれません。
そのような状況になっているならば延々と苦情を聞かされずに済むのですが、困ったことに不満を抱えたまま押し黙るような大人しい人は多くありません。
感情的になって大声で同じことを延々と喚き散らしたり、論点をずらしてあることないこと問題とは無関係な事まで引っ張り出して騒ぐ人までいるのです。
理性など吹き飛んだ状態なので説得しようとすると逆に火に油、とても手に負えるものでない最悪な災悪です。
大抵の人は子どもの内に協調性や妥協ということを覚えるのですが、そのような経験や教育と縁遠かった方なのでしょう。
無理にやりこめてしまうと、その場は黙って引き下がるのですが、全く別の案件でやり返し溜飲を下げようと画策するのですから困りものです。

「口を尖らせる」スネ夫君の生みの親、藤子不二雄

「口を尖らせる」とは「不平、不満、怒りを示す表情」のことです。これはよく、漫画での表現として見られます。「ドラえもん」ののび太君も何か困ったことが起きると、例えば面白いテレビや漫画を読んでいる時にママからお使いを頼まれたり、宿題をやるようにきつく言われたりすると、この表情になります。「ドラえもん」の場合はのび太君に無理難題を吹きかけられるとなりますね。スネ夫君はもう、ジャイアンやママのせいで口が尖った表情しか思い出せないほどです。漫画に多用されるということは子どもっぽい表情だということでしょうね。「ドラえもん」の作者、藤子不二雄の二人は高岡市の小学校時代に出会った同級生同士でした。手塚治に憧れ、作品を携えて家に訪ねたところ、手塚のオーラに圧倒されつつ「上手だね」と言われたことを励みに漫画家を目指して上京します。最初は親戚の二畳一間の部屋に二人で暮らしていましたが、手塚治がトキワ荘から出て行ったのを機に、手塚の住んでいた部屋に移り住みます。お金のない二人のために、手塚が敷金を肩代わりした上、机を残していってくれたお陰で、手塚が執筆していた机で執筆できるという、二人にとってはこの上ない環境のもと、藤子不二雄は作品を次々発表し、人気漫画家としてその名を馳せていくのです。