綸言汗のごとし

【漢字】綸言汗のごとし
【読み】りんげんあせのごとし
【意味】出た汗は体内に戻せない。つまり一度口にした言葉は取り消すことはできない。
【例文1】綸言汗のごとしで約束は守る。
【例文2】綸言汗のごとしで契約を交わす。
【例文3】綸言汗のごとしだと結婚の約束を誓う。

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高位にある者が発した言葉は戻せない。「綸言汗のごとし」

「綸言汗のごとし」・・・ちょっと聞きなれない言葉かもしれませんが、お聞きになったことのある人もいるかと思います。
この言葉は、もともとは中国で生まれたものです。
中国において絶対権力の座にあった皇帝は、その存在や人格を神格化され、いわば「無謬の存在」として人々に崇められてきました。
そんな髪にも等しい皇帝の発する言葉は、たとえそれが間違いであっても、全て「正しいこと」として下位の者は受け止めなければならなかったのです。
無謬の存在が発した完璧な言葉ですから、誰かが間違いに気付いたとしてもそれを指摘したり、糺そうとすることは許されませんでした。
つまり、いったん皇帝が発した言葉というものは、それが人体から噴き出す汗のように、体に戻すことができない(訂正も取り消しもできない)という意味なのです。
また、いったん口に出した言葉は取り消すことができないので、間違ったこと、不正なことを皇帝は言ってはならない、という意味も含んでいるようです。
かつての皇帝の権力の大きさが偲ばれますが、人の上に立つ者の責任を戒める意味をも含んでおり、現代においても、会社などの組織で上位の立場にある人に参考にしてほしい言葉ではあります。