鯉の滝登り

【漢字】鯉の滝登り
【読み】こいのたきのぼり
【意味】勢いがあって高い地位につく。
【例文1】A氏は正義感があり鯉の滝登りみたいに出世した。
【例文2】日本人離れしたスタイルが鯉の滝登り並みに雑誌の表紙デビューを飾る。
【例文3】企業1年で年商1億とは鯉の滝登りだ。

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意外に身近に感じる「鯉の滝登り」とは 

「鯉の滝登り」とは鯉が中国の黄河にある急流(竜門)をさかのぼり天に至りて龍となるという伝説から、人の立身出世をさします。鯉はそもそも池や川底など流れが比較的緩やかな場所を好み、滝をさかのぼることなどまずあり得ません。竜門という場所の下には鯉やフナなどがよく群れているのだそうです。その群れの中の一匹でも抜け出して滝を逆に登ろうと試み、もしも登ることができればその鯉は龍立身出世のための難しい関門という意味で生まれています。この伝説から床の間に掛ける、掛け軸も鯉が滝に登ろうと跳ねている絵が縁起物として喜ばれ、昔は新築祝いなどに贈られました。また、男子の初節句に揚げる鯉のぼりもこの伝説から、男子に生まれたからには立身出世をと願う思いから習慣になったと考えられます。
登竜門は芸能界のオーデイションなどでも、「新人デビューの登竜門」などと使われますし、もっと身近なところで運動会の入場口の門に登竜門と書いている学校もあります。立身出世と言えば日本で有名なのは木下藤吉郎、後の豊臣秀吉ですね。地方武士の配下であった農民出身の彼が天下を治めるまでになるのですから、これ以上の立身出世はありえません。のちのち天下を取った織田信長の家来になるという幸運に恵まれたかもしれませんが、本人の才覚だけでなく、池の鯉が急な滝をさか登るほどの努力を重ねて得た天下だったに違いありません。大阪城の天守からの眺めは彼にとって格別なものだったでしょう。

滝を登った鯉はどうなる?「鯉の滝登り」の由来

立身出世を意味する言葉に「鯉の滝登り」があります。こどもの日の鯉のぼりの由来となってもいるこの言葉について、そのルーツをお話ししましょう。
これは、中国の「後漢書」に出てくる故事に由来します。ある宮廷の実力者に能力を認められた人は必ず出世するということを、「竜門を登った鯉」になぞらえました。
試験やオーディションなど、出世のための関門のことを「登竜門」と言いますが、「竜門を登る」が「登竜門」という言葉になったわけです。
では、竜門とは何か。これは、黄河の上流にある急流のことで、ある皇帝が竜門山という山を切り開いて作ったものです。要するに、皇帝の治水事業によって生まれた滝ということになるでしょう。
その急な流れをさかのぼることができる鯉はそう多くはありません。かなり稀な力を具えた鯉と考えていいでしょう。そのように特別な能力を持っている鯉が、竜門を登りきることができるわけですが、登り切った鯉は、何と竜に変身して天に上るとされています。
地上の魚が天上の竜になるわけですから、これ以上の出世はありません。それで、立身出世するための関門を「登竜門」と称し、その関門を越えて出世することを「鯉の滝登り」というようになったのです。
子どもの日の鯉のぼりには、ですから、「わが子の出世を願う」という意味が、本来はあるわけです。

“鯉の滝昇り”について調べてみました。

中国の伝説で、黄河上流には流れが激しく、河を遡ろうとする大魚が、それ以上は進めずに集まってしまう“龍門”と呼ばれる場所があるそうです。 激しい流れを物ともせずに、急流を昇り切った鯉は龍になると云う故事から、“鯉の滝登り”とは、目覚しい立身出世を意味する、ことわざとなっています。
オーデション番組や、創作物のコンクールなどで用いられる“登竜門”とは正にこの事で、多くの試練を潜り抜けた者は、龍となって目覚しい将来が待っていると云った意味合いで用いられているようです。
“鯉の滝登り”は、立身出世を願う縁起物であり、掛け軸などに好んで描かれ、端午の節句や、開業祝いなどの贈り物に良いとされています。
ただ、滝を登るのが“鯉”とされたのは日本独自な物のようで、本場中国では“大魚”または“チョウザメ”なのだそうです。

鯉の滝登りの出典は“後漢書”と云う物で、“可もなく不可もなく・烏合の衆・先見の明・帰化”など、今日の日本でも馴染み深い多くの言葉が、後漢書より生またそうです。