王手を掛ける

【漢字】王手を掛ける
【読み】おうてをかける
【意味】成功・勝利まであと一歩という状況。
【例文1】リーグ戦優勝に王手を掛ける。
【例文2】明日の決勝戦に王手を掛ける。
【例文3】王手を掛けた試合が始まる。

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「王手を掛ける」とはまさに一番の勝負どころ

勝負ごとや目的を達成を目指してがんばった末に、いよいよ目標達成が間近に見えてきた際などには「王手を掛ける」という言葉が使われることがあります。
野球で言えば、リードして9回ツーアウトを迎えた場面であったり、目的の最終段階に入りいよいよという場面でしょうか。
言葉の由来は将棋の「王手」から来ており、王手は次の手番で相手の王を取れる状況です。
王様が取られてしまうと負けになってしまうため、王手を掛けた方は勝利目前、掛けられた方は絶対絶命という場面です。
しかし王手を掛けたからといって勝利が確定したわけではありません。
王手を掛けられてもまだ逃げる余地が残されていることもありますし、詰みまでに相手がミスをすることも考えられます。
真剣勝負というのはひとつのミスが流れを大きく変えてしまうことがあります。
これは将棋以外でも同じことで、王手を掛けたあと。つまり目標達成の直前こそ最も重要な場面です。
人は目標が達成できると感じると、無意識に気が緩んだり、心にブレーキがかかってしまうとも言われています。
王手を掛けたあといかに気を抜かずに最後までやりきるか。人間同士の戦いであっても目標に向かっているときでもまさにここが一番の勝負どころと言えます。

「王手を掛ける」とは

「王手を掛ける」はご存知のように将棋の言葉です。相手の王将の駒を手中に納めるような手を自分が打った時、「おうて」と声をかけるのがルールです。つまり「王手を掛ける」は「将棋で直接、相手の王将を攻める手法をとること、であり転じて相手の死命を制するような手段にでること」です。先日将棋の非公式戦で14歳の藤井聡太四段が羽生善治三冠と対決し、羽生棋士が負けましたが、その時も「王手」の言葉はかからず、素人にはわからないほどのタイミングで「負けました」と羽生棋士が頭を下げていました。将棋の上手な人ほど先の手、先の手と読むので「えっここで」という場面で投了となりますね。ところで将棋の駒には「王将」と「玉将」があるのはご存知ですか?元々は「玉将」しかなく、「玉」から点を取ったのが「王将」なのです。王将が生まれた由来は不明ですが「玉」と「王」の字が似ているため、区別するために一方を「王」にしたとする説や、豊臣秀吉が「王でないと気に入らない」「王は一人でよい」と言って一方の点を取ったなど諸説あるそうです。といって二つの駒の動きに違いはありません。慣例として、上位の者が「王将」、下位の者が「玉将」を使うことになっています。先ほどの二人の戦いでも羽生棋士が「王将」を藤井棋士が「玉将」を使っていました。挑戦者が「玉将」と覚えておけば間違いないですね。命の取り合いはなくても将棋の世界の勝負はハードで、一局終わると体重がガクンと落ちている棋士もいるそうです。大変なんですね。