論語読みの論語知らず

【漢字】論語読みの論語知らず
【読み】ろんごよみのろんごしらず
【意味】読んで理解はできたが、それを活かして実行できない。
【例文1】語るだけでは論語読みの論語知らずで説得力がない。
【例文2】学んだ分野に就かないのは論語読みの論語知らず。
【例文3】本に頼って経験がなく、論語読みの論語知らず。

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「論語読みの論語知らず」の論語が藩校の入試だったとは

「論語読みの論語知らず」とは「書物の上のことを理解するばかりで実行し得ない人のこと」です。論語は中国春秋時代の儒家、孔子の言葉を弟子たちが、彼の没後にまとめたもので、「子、曰く(し、のたまわく)」(孔子がおっしゃることには)という一文から始まることでも有名です。論語は江戸時代の諸藩に置かれていた、藩校という藩の子どもを対象とした学問所で、積極的に取り入れられていた教材のひとつです。その藩校の入学試験は素読吟味と呼ばれ、四書(儒学の基本文献。「大学」「中庸」「論語」「孟子」)のうち、先生が抜粋した漢文を日本語訳で3回読み上げるものでした。内容の解釈はともかく、読み間違い、忘れて思い出せないことの多少で合否が決まったそうです。藩校の入学試験に合格しても、次から次へと試験があり、落第した者には厳罰が課せられたそうです。藩校では武芸も奨励され、7、8歳で入学してまずはじめに文を習い、後に武芸を学び、14、15歳から20歳くらいで卒業するというかんじでした。教育内容は、四書五経の素読と習字を中心として、江戸後期には蘭学や、武芸として剣術等の各種武術などが加えられました。藩校へ入るのですら、論語が読めなくてはいけませんでしたから大変でした。ちなみに小学校の庭に置かれている二宮尊徳の像が開いているのは大学という書物だそうです。