理に落ちる

【漢字】理に落ちる
【読み】りにおちる
【意味】理屈が多い。こじつけの理由で言い張る。
【例文1】彼との話し合いはいつも理に落ちる。
【例文2】いつも理に落ちたことばかり言う。
【例文3】理に落ちるので話がまとまらない。 

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理に落ちる、聞いたことありますか?

周囲に会話をしていると徐々に理屈っぽくなってくる方がいませんか。プライベートでも仕事の関係でもそうした会話は避けたいものですが、そうもばかりは言ってられません。そういう方との会話を指して「理に落ちる」というそうです。あまり聞きなれないかもしれません。話の中でも理屈っぽいと使用することがありますが、そもそも理屈とはどういった意味なのでしょう。物事の道筋、道理といった意味で使用されていれば、正論を話しているのであって、あまり悪い意味ではありません。

もちろん、それが正論であってもあくまで理想論であり現実での実現が難しいことを一々それらしく話されていては話し相手に良い印象は与えません。こうした会話をする方に自覚症状がある方、それらしくならないように注意する方は今まで見たことがありませんが。無理につじつまを合わせた理論、こじつけ、へりくつとこちらの意味では一気に胡散臭さが増します。こちらの意味だとどちらかというと、その場しのぎの机上論を並べているという意味合いにもとれ何か考えがあっての会話とは言えません。理に落ちるの使い方としては、現状を見ず理論上での不毛な議論を行う方の会話に使うのがいいのではないでしょうか。正に論より証拠が欲しいところです。

「理に落ちる」を疑似体験できる小説

「理に落ちる」とは「理屈っぽくなること」です。現代ではあまり使われない言葉ですね。「今日はおめへのお蔭で酒が理に落ちていけねへ」などと為永春水の人情本、「春色梅暦」の中で使われているほど、昔は日常的な言葉だったようです。「春色梅暦」は美男子丹次郎と深川の芸者米八との恋愛模様を描いた作品で、明治時代までは「丹次郎」が美男子の代名詞に使われるほどの人気がありました。今でいうと誰でしょう。まあ、それほど読まれていたということです。「理に落ちる」で思い浮かぶのは有川浩さんの「Story seller」という本の「site B」。主人公の女流作家と旦那との出会いの場面で、主人公の話しかたが「ロマンティックなのに、理屈っぽいところが、好きな小説にそっくり」だと納得する部分があるのですが、まさに、彼女の思考から生れ出た小説だからこそ。彼にとって理ではなく「腑に落ちる」展開でした。小説家の理、旦那の理、いろいろな理がスパイスになって、「劇中の劇」を見ているかのように二つの小説が味付けされていくのですが、最後の最後まで読んで、「Story teller」ではなく「Story seller」とした有川浩さんの題名の意図が汲み取れるという作品です。有川浩ワールドに導かれ、「理に落ちる」恋愛話もなんだか素敵だと思わされてしまいます。「理に落ちる」を疑似体験がしたい方にはオススメです。