逆鱗に触れる

【漢字】逆鱗に触れる
【読み】げきりんにふれる
【意味】龍のあごの下には逆さにはえた鱗があり、それを人が触れると激しく怒り、殺してしまうという伝説から、年長者からひどく怒られること。
【例文1】部活をサボって監督の逆鱗に触れる。
【例文2】連絡もしないで深夜帰宅して嫁の逆鱗に触れる。
【例文3】大御所に失言を発して逆鱗に触れる。

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逆鱗は触れてはならない領域

語源は、龍のあごの下に一枚だけ逆さに生えているうろこを逆鱗と呼び、通常は人に危害を加えない龍も、このうろこに触れられると一変、激高して、触れたものを殺してしまう、という故事に基づいたものです。
転じて、目上の人物に対して、ある出来事がきっかけで激しい怒りを買う行為をさすようになります。目下の人に対しては使いません。

人の性格は、もともと怒りっぽい人や穏やかな人など様々で、怒りの沸点も人それぞれです。その人にとって、何が逆鱗なのか、過去の経験や情報からしかわかりません。大事な交渉事を行う場合、事前にリサーチする場合もあるでしょう。
特に、相手が非常に強い立場の人で、大事な商談が成立するかどうかは、その人の決断ひとつにかかっている、などの緊迫した場合は、逆鱗に触れることは絶対に回避しなければなりません。事前に情報が皆無の場合は、至難の業です。
その逆鱗が、人によっては傍からみれば、例えば背が低いことを気にしているとか、髪の毛が薄いとか、家族のことであるとか、他愛もないことであったりするのです。
ただ、先程述べたように怒りの沸点は、個人個人で違うので、何故そんなことで怒るのか?と理解できない場合でも、逆鱗に触れないようにうまく避けていかなければならないのです。

神獣・龍を怒らせる逆鱗に触れるとは?

「逆鱗に触れる」怖そうな言葉ですが逆鱗とは伝説上の神獣・龍の全身には81枚の鱗があるとされ鱗のうち顎の下に1枚だけ逆さに生える鱗のことです。龍は普段はおとなしく人に危害を加えることはないのですが逆鱗に触れられると激しく怒り逆鱗に触れた者はその場で殺されるといわれていたため逆鱗は触れてはならない物を表す言葉になりました。「逆鱗に触れる」とは触れてはならない物に触れて怒りを買うことを意味します。また中国では龍は皇帝の象徴として用いられていたことから皇帝の怒りを買うような行為を指して「逆鱗に触れる」と言われるようになりました。「逆鱗に触れる」という表現は中国の思想家・韓非は「韓非子」の中に登場し皇帝にも龍の逆鱗のように触れられたくない事柄がありそこに触れてしまうと激しい怒りを買うと説いています。現代には皇帝はいないので皇帝が目上の人という意味に転じ目上の人を激しく怒らせるという意味で使われます。同僚や部下・後輩または友人の怒りを買ったときに「逆鱗に触れる」を使うのは間違った使い方で「逆鱗に触れる」とはあくまで目上の人のを怒らせたときに使います。また「癇に障る」と混同されている場合もありますが「癇に障る」は神経を逆なでしていら立たせる、気に入らなくて腹立たしく思うことです。「逆鱗に触れる」は自分が目上の人を怒らせてしまう行為で「癇に障る」は相手が自分をいら立たす行為のことです。