「小の虫を殺して大の虫を助ける」は、小さな犠牲を払って、より大きな利益を得るという意味の慣用句

「小の虫を殺して大の虫を助ける」は、小さな犠牲を払って、より大きな利益を得るという意味の慣用句です。

具体的には、以下のような状況で使われます。

  • 緊急事態において、迅速な判断で犠牲を出す
  • 長期的な利益のために、短期的な痛みを伴う改革を行う
  • 全体を守るために、一部を切り捨てる

この慣用句は、倫理的に難しい判断を迫られる場面で使われることが多く、「犠牲を払うべきかどうか」という問題提起を含んでいます。

以下、「小の虫を殺して大の虫を助ける」の使い方の例です。

  • 消防士は、燃え盛る家屋から住民を救出するために、一部の家具を犠牲にした。
  • 会社は、業績悪化のため、人員削減という苦渋の決断を下した。
  • 医師は、患者の命を救うために、リスクの高い手術を選択した。

「小の虫を殺して大の虫を助ける」という慣用句は、中国の故事から生まれた言葉とされています。

中国の戦国時代、斉の国の宰相であった管仲は、国の財政再建のために、贅沢な生活を送る富裕層から税金を徴収することを提案しました。

この提案に対し、斉の桓公は「富裕層は国の経済を支える重要な存在であり、彼らを苦しめることはできない」と反対しました。

しかし、管仲は「富裕層から少しの犠牲を払ってもらうことで、より多くの人々が幸せになれる」と主張し、桓公を説得しました。

結局、桓公は管仲の提案を採用し、富裕層から税金を徴収した結果、斉の国の財政は再建され、国全体が繁栄しました。

この故事から、「小の虫を殺して大の虫を助ける」という言葉が生まれました。

「小の虫を殺して大の虫を助ける」という慣用句を使う際には、犠牲の大きさと、得られる利益のバランスを慎重に判断することが大切です。

また、犠牲を払う人々に十分な説明と理解を求めることも重要です。

参考URL:
小の虫を殺して大の虫を助ける(しょうのむしをころしてだいのむしをたすける)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書