「九牛の一毛」は、非常に多くのものの中のほんの一部分という意味の四字熟語です。取るに足らないことや些細なことを表す際に用いられます。
ポイント
- 由来: 中国の故事「史記」司馬遷伝から由来します。司馬遷が死刑判決を受けた際、友人である太史公が皇帝に助命嘆願をしたところ、皇帝は「たとえ九頭の牛の毛の一本でも惜しい」と述べ、司馬遷の命乞いを拒否しました。この故事から、「九牛の一毛」という言葉が生まれました。
- 意味: 以下の2つの意味があります。
- 非常に多くのものの中のほんの一部分
- 取るに足らないこと、些細なこと
- 使い方: 以下の状況でよく使われます。
- 膨大な量の中のほんの一部分を表す時
- 些細なことや取るに足らないことを表現する時
- 全体と比較して非常に小さいことを強調する時
- 注意: 謙遜の表現として用いることもありますが、皮肉や軽蔑の意味合いを含む場合もあります。文脈をよく判断して使用するようにしましょう。
例文
- 宇宙の星は九牛の一毛ほどしか知られていない。
- 膨大なデータの中から、九牛の一毛ほどの情報しか得られなかった。
- 彼のミスは九牛の一毛に過ぎない。
- 彼らの努力は、この大きなプロジェクトにとっては九牛の一毛だ。
類似表現
- 微々たる
- 滄海一粟
- 一介の
- 寥寥無幾
- 寥寥たる
「九牛の一毛」は、日本語の教養として覚えておきたい四字熟語の一つです。適切な場面で使用することで、表現に深みを持たせることができます。
その他
- 「九牛の一毛」の類義語として、「滄海一粟」という言葉があります。こちらは、「大海の中の小さな粟粒」という意味で、「九牛の一毛」とほぼ同じ意味です。
- 英語では、"a drop in the bucket" や "a small fish in a big pond" などの表現が「九牛の一毛」に相当します。
まとめ
「九牛の一毛」は、非常に多くのものの中のほんの一部分という意味の四字熟語です。取るに足らないことや些細なことを表す際に用いられます。日本語学習者にとっても比較的覚えやすい表現なので、ぜひ覚えておきたいですね。