「ごまめの歯軋り」は、力のない者がいたずらに憤慨したり悔しがったりすることのたとえです。
意味
- 弱い者が、歯を食いしばって怒っても、何も変わらないことを表しています。
- 正論を述べても、現実にはどうにもならない、と自らの無力を認めていうことが多いです。
- 無力な怒りは、何も解決せず、かえって自分自身を苦しめるだけだという戒めでもあります。
語源
「ごまめ」は、カタクチイワシの稚魚を干したもので、非常に小さい魚です。
そんな小さな魚が歯を食いしばって怒っても、何の効果もありません。
このことから、「ごまめの歯軋り」という言葉が生まれました。
使い方
- 会社の理不尽な命令に腹を立てた彼は、「ごまめの歯軋り」だと悟り、静かに受け入れることにした。
- 政治家の汚職が発覚したが、国民は何もできず、「ごまめの歯軋り」が起こるだけだった。
- いくら文句を言っても無駄だとわかっているのに、「ごまめの歯軋り」のように怒りを抑えられなかった。
例文
例文1: 弱い者がいくら怒っても、世の中は変わらない。「ごまめの歯軋り」にならないように、自分にできることを探そう。
例文2: 会社のリストラが決まったとき、彼は上司に詰め寄ったが、「ごまめの歯軋り」で何も解決しなかった。
例文3: 政治家がスキャンダルを起こしても、国民は何もできず、「ごまめの歯軋り」が起こるだけだった。
類義語
- 空吠え
- 八方塞がり
- 徒労
- 無力
- 泣き寝入り
対義語
- 正義感
- 勇気
- 行動
- 変革
- 克服
その他
- 「ごまめの歯軋り」という言葉は、江戸時代から使われています。
- 浮世絵や川柳などの題材としてもよく取り上げられました。
- 現代社会においても、弱い立場の人や社会の不条理に対して、無力感や絶望感を表現する言葉として使われています。
まとめ
「ごまめの歯軋り」は、力のない者がいたずらに憤慨したり悔しがったりすることのたとえです。
弱い者がいくら怒っても、世の中は変わらないという戒めを込めて使われます。
この言葉を使う際には、自分の無力さを認めるだけでなく、自分にできることを探すことも大切です。