「藪医者」とは、適切な診療能力や治療能力を持たない医師・歯科医師・獣医師を指す俗称・蔑称

「藪医者」とは、適切な診療能力や治療能力を持たない医師・歯科医師・獣医師を指す俗称・蔑称です。同義語には、加減医者(かげんいしゃ)、薮医(やぶ)、庸医(ようい)などがあります。古くは1422年に「藪医師」、1283年に「藪薬師(やぶくすし)」の記録があります。

語源

「藪医者」の語源については、諸説あります。

  • 説1:名医の隠喩

    ある名医が但馬の養父という所にひっそりと隠れるように住んでいて、土地の人に治療を行っていた。死にそうな病人を治すほどの治療を行うことも少なくなかった。その評判は各地に伝わり、多くの医者の卵が養父の名医の弟子となった。養父の名医の弟子と言えば、病人もその家人も大いに信頼し、薬の力も効果が大きかった。

    この名医のことを人々は尊敬の念をこめて「藪医者」と呼んでいた。

  • 説2:田舎医者の蔑称

    「藪」は草木が生い茂った場所を意味し、田舎を連想させることから、「藪医者」は田舎医者の蔑称として使われるようになったという説もあります。

  • 説3:腕の悪い医者の皮肉

    腕の悪い医者は普段は患者が来ない医者でも、風邪が流行って医者の数が足りなくなると患者が押し寄せ忙しくなることから、「かぜ(風)で動く=藪」という説もあります。

現代における「藪医者」

現代では、医療技術の発展により、「藪医者」と呼ばれるような医師はほとんどいなくなったと考えられています。しかし、不適切な診療や治療を行う医師は依然として存在しており、患者に危害を加えるケースも少なくありません。

「藪医者」を見分けるためには、第二意見を求めたり、口コミサイトなどを参考にしたりすることが重要です。また、医師免許の有無を確認したり、所属学会などを調べたりすることも有効です。

もし「藪医者」と思われる医師にかかった場合は、すぐにその医療機関を受診し、別の医師に診てもらうことをおすすめします。

参考URL:
藪医者 - Wikipedia