心を砕く

【漢字】心を砕く
【読み】こころをくだく
【意味】色々と気を使う。心配する。
【例文1】40歳になる独身の息子の心を砕く。
【例文2】ひとり暮らしの祖母の心を砕く。
【例文3】高齢の母の心を砕く。

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「心を砕く」直虎の母千賀

「心を砕く」とは気を揉む、胸を痛める。苦心する、気を配ることです。NHKの「おんな城主直虎」の場面で、直虎の母は直虎を心配してしょっちゅう「心を砕いて」いるのですが、忘れられない母の気配りがあります。井伊家は今川家が負けるはずがない戦と思われた桶狭間の戦いに家臣たちと参戦します。ところが大雨に油断した今川家は戦場の陣中で飲酒休憩。突然現れたかのような織田信長の軍勢に今川家は大敗。井伊家でも当主の井伊直盛、奥山朝利、小野玄蕃、孫一郎と重臣たちが次々に討ち死にしたり、深手を負ったりします。一族の要といわれる人たちを亡くした井伊家。その大事件のあと、井伊家当主の妻である千賀は家族を亡くした者たちに自ら筆をとり、お悔やみの手紙をおくります。悲しみにくれる者たちに寄り添い、自分も主人であり当主を亡くしながらも気丈に当主の妻としての役目を果たすのです。その中で娘の直虎にも手紙をしたためます。その文言は悲しみをあらわにせず、次期当主としての定めを受け入れなければならない娘をただただいたわり、思いやる気持ちにあふれたものでした。家族を亡くした人を励ますのは難しいものです。ただただ寄り添うというのは言葉でいうほど容易いものではないのです。