「刎頸の交わり(ふんけいのまじわり)」とは、中国の戦国時代に趙で活躍した藺相如と廉頗が残した故事に由来する四字熟語です。刎頸とは「首を刎ねる」ことで、互いに首を斬られても後悔しないほどの深い友情を表します。
故事の概要
趙の恵文王は、秦から十五の城を奪還した廉頗を重用していました。しかし、秦の使者が十五の城と引き換えに藺相如を人質として差し出すと申し出た時、恵文王は藺相如を秦に送ることを決意します。
藺相如は、秦王に十五の城を返却させてから自分を引き渡すことを条件に秦へ向かいます。そして、秦王の前で堂々と趙の立場を主張し、十五の城を返却させることに成功します。
帰国後、藺相如は廉頗に対して謙虚な態度を取り、廉頗も藺相如の才能を認めて謝罪しました。二人は互いを尊重し、信頼し合う真の友情を結んだのです。
解釈
「刎頸の交わり」は、単に生死を共にするというだけでなく、互いを尊重し、信頼し合い、助け合う深い友情を指します。
使い方
- 二人の固い友情を称える際に用いられます。
- 困難な状況を乗り越えるために、互いに協力し合うことの大切さを伝える際に用いられます。
- 真の友情とは何かということを考える際に用いられます。
例文
- 彼らは幼い頃から仲が良く、「刎頸の交わり」と称されるほどの深い友情で結ばれていた。
- チームメンバーは互いを尊重し、信頼し合い、「刎頸の交わり」のような関係を築いていた。
- 困難な状況に直面しても、互いに支え合い、「刎頸の交わり」の精神で乗り越えてきた。
その他
「刎頸の交わり」は、中国だけでなく日本でも古くから重んじられてきた美徳です。現代社会においても、互いを尊重し、信頼し合う真の友情を築くことは、人生を豊かにするために欠かせない要素と言えるでしょう。