「千慮の一失」toは、どんなに賢い人でも、必ずどこかで失敗するという意味

「千慮の一失」toは、どんなに賢い人でも、必ずどこかで失敗するという意味です。

「千慮 (senryō)」は、「千回も考え抜く」という意味、「一失 (いっしつ)」は、「一つの失敗」という意味です。つまり、どんなに慎重に計画して準備をしていても、思いがけないところで失敗してしまうことがあるということです。

この四字熟語は、中国の史書『史記』淮陰侯伝から由来しています。

淮陰侯韓信は、兵法に精通し、天下統一に大きく貢献した名将です。しかし、功を妬んだ劉邦によって捕らえられ、処刑されてしまいました。

あるとき、劉邦は韓信に尋ねました。「あなたは天下随一の兵法家だというが、なぜ捕らえられてしまったのか?」

韓信は答えました。「私は千回も考え抜いて計画を立てましたが、一つの失策が命取りになりました。」

この故事から、「千慮の一失」という言葉が生まれました。

この四字熟語は、

  • どんなに完璧な計画でも、失敗する可能性があることを戒める
  • 驕らず、常に謙虚な姿勢で物事に取り組むことの大切さを説く
  • 失敗を恐れないで、積極的に挑戦することの重要性を示唆する

といった意味で使われます。

類義語としては、「弘法も筆の誤り」、「猿も木から落ちる」、「人間だれでも失敗する」などがあります。対義語としては、「完璧」、「無謬」、「失敗しない」などがあります。

参考URL:
千慮の一失(せんりょのいっしつ)とは? 意味や使い方 - コトバンク