聞き耳を立てる

【漢字】聞き耳を立てる
【読み】ききみみをたてる
【意味】こっそり聞こうとしている様子。
【例文1】息子が初めて彼女を連れて来たので、リビングから聞き耳を立てる。
【例文2】ただならぬ険悪の雰囲気に聞き耳を立てる。
【例文3】喧嘩の様子に聞き耳を立てる。

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「聞き耳をたてる」ちごのそら寝

「聞き耳を立てる」とは「よく聞こうとして耳を立てる」ことです。この言葉で思い浮かぶのは「ちごのそら寝」というお話です。古典の教材として有名な宇治拾遺集の中のお話です。比叡山延暦寺にまだ幼い稚児と呼ばれる子どもがおりました。ある晩方、手が空いたお坊さんたちでぼた餅を作ることにしました。子どもは期待して聞いていたものの、だからといって、出来上がるのを待って寝ないでいるのもよくないだろうと考え、部屋の片隅で寝たふりをして出来上がるのを待っていました。出来上がれば、きっと僧たちが自分を起こしてくれるに違いないと思って、そのまま待ち続けていたところ、僧が 「もしもし。目をお覚まし下さい。」と声をかけてくれました。ところが、すぐ一度で返事をするのも呼ばれるのを待っていたと思われるかもと考え、もう一度呼ばれたら返事をしようと我慢して寝ているうちに、 「これ、お起こし申し上げるな。幼い人は寝入ってしまわれたよ。」という声がして、ああ、困ったな、もう一度起こしてくれよと、思いながら寝て聞き耳をたてると、僧たちが餅をむしゃしゃと、ただどんどん食べる音がしたので、子どもはどうしようもなくなり、とんだ時分になって「はい。」と答えて起き上がり、大笑いされたというものです。まさしく「聞き耳を立てる」の例ですね。