門戸を開く

【漢字】門戸を開く
【読み】もんこをひらく
【意味】通商には禁止や制限をなくして受け入れなければいけない。
【例文1】女性進出の門戸を開く。
【例文2】昔に比べて門戸を開く社会になった。
【例文3】門戸を開く社会を作る。

門戸を開くをテーマにした記事

皆に門戸を開く松下村塾

門戸を開くとは制限を設けずに交流、通商、学問などの出入りを自由にすることです。この言葉で思い浮かべるのは幕末に長州藩にあった松下村塾です。江戸時代、商人や農民、町屋の子どもたちは寺子屋で庶民の子弟のための読み書き、算盤を教わりました。武士の子どもは藩校といって藩で設けた学問所で勉強をしました。そこには士農工商という歴然とした身分制度があったからです。長州藩にも明倫館という藩校がありましたが、松下村塾を開塾した玉木文之進は私塾として8畳一間を設けて、身分を問わず学びたい者はだれでも受け入れました。玉木の甥の吉田松陰も松下村塾に入りましたが、玉木の指導は大変厳格で、顔についた蚊を払った松陰少年が殴られたという逸話もあります。玉木の後を久保五郎左衛門が継ぎ、その後吉田松陰が教鞭を取ります。松陰が教えた期間は短いものでしたが、幕末から明治期に日本を動かすほどの塾生を多数輩出したことで松下村塾は知られています。ただ、塾生の多くが幕末の動乱の中で、若くして命を落としたのも事実でした。身分の差を超えて、学びたいという気持ちで集った若者たちが、どれほどの切磋琢磨をして松下村塾で成長したか。藩校で藩主の思いに沿った教育を受けるよりも多くの事を学び、吸収したのだろうと想像されます。玉木「門戸を開いたことで、日本を動かす人材が育ったのです。