影も形もない

【漢字】影も形もない
【読み】かげもかたちもない
【意味】まったく原形をととめない。何の形跡もない。
【例文1】彼は50キロも太って無残に影も形もない。
【例文2】老けこんで昔の影も形もない。
【例文3】10年ぶり帰省したら、空き地が影も形もない。

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影も形もない状態になってしまった実家

先月、久しぶりに地元に戻りました。地元といっても、実家はすでにありません。見に行ってみると、影も形もない状態になっていました。というのも、数年前に父が亡くなってしまったんです。それから母が一人で生活していましたが、初老の母が一人で一戸建てを管理していくのには体力が足りません。ということで、私達夫婦の住んでいる街に引っ越してきました。今は駅前でアクセスの良いマンションで生活をしています。

今回友人の結婚式があったので地元に戻ったのですが、そこで見に行きました。半年ほど前に既に更地にしましたので、まさに影も形もない状態です。すぐ近くに親戚がいますので、草むしりなどを非常に安価なアルバイトとしてお願いしています。まだ買い手は付いていないのですが、いずれは売れていくのだと思います。そうなったら住宅街なので新しい家が建つのでしょうね。そう考えると、今は影も形もない状況ですが、今の光景も全く変わっていくのだと思います。

確かに寂しさもありますが、新しい始まりなんだと前向きに考えることにしました。私は更地になってしまった実家を見に行くのが初めてだったので寂しさが強かったのですが、いずれこの気持ちにも慣れていくのだと思います。

いつの間にか影も形もないことになっても

たとえばですが何年かぶりに、自分が通っていた小学校に行ってみたら、昔はあった遊具がなくなっていたり、または新しい校舎が建てられていて、まるで別の小学校のようになってしまった、ということを経験した人もいると思います。小学生のときにみんなで遊んだ遊具がなくなってしまうと、少し寂しくなったりしますよね。遊具が古くなってしまったために撤去されたのかもしれませんし、もしくは危険性があると判断されたために撤去されたのかもしれません。なんにせよ思い出が詰まった遊具が、今では影も形もないとなるとやはり切ない気持ちになるでしょう。

このように思い出深いものが知らない間になくなっていたりですとか、すっかり別の場所のようになってしまうのは仕方のないことです。時が経てば今は必要なものでさえも、いずれは不要なものに変わっていくことの方が多いでしょう。そして不要になってしまったら、大抵の人はそれを捨てるのではありませんか。色んなことが変わっていくのは自然の摂理とも言えます。むしろ変えていくことでしか、良いものは生み出されないとも考えられます。大事だったものが、いつの間にか影も形もないことになっていて、それを寂しく感じることがあっても、それを受け入れてみるのが良いのではないでしょうか。