両雄並び立たず

【漢字】両雄並び立たず
【読み】りょうゆうならびたたず
【意味】同じ実力を持つ者同士でも競うと必ずどちらかが負ける。
【例文1】試合では必ず勝ち負けが決まる。両雄並び立たずだ。
【例文2】両雄並び立たずで延長戦にまでもつれ込む戦いだった。
【例文3】必ずどちらかが表彰台に立つ。両雄並び立たず。

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両雄並び立たず相争う

頂点は常にただ一人、ならば世の英雄は必ず争い相手を滅ぼそうとするものなのでしょうか。
個人であれ国であれ、利害関係があれば少なからず序列というものが発生します。
相互に助け合い協調関係にあることなど稀で、そのような関係には他の外敵の存在が必要となります。
どれほど小さな組織であっても、まとめ役となるトップは存在します。
民主的にすべて話し合いで解決しようとしても長時間の議論で解決できない問題というものはあるものです。
結局は多数をまとめ上げるだけの力をもった方が少数派の意見を駆逐することになるでしょう。
結局のところ、頂点を奪取する人間は最大派閥のトップの場合がほとんどです。
全ての民衆の過半数の支持を得るなどという直接民主主義が実施されるのは規模が小さい社会での話なのです。
小規模な集団の賛同を集めた中規模の組織を従えた大組織をいくつも束ねてやっと足がかりが見えてくる程度でしょうか。
そのように考えると封建時代の社会構造と何が違うのか、民主主義といいながら数の暴力に終始する多数決でしかないのかと疑問に思うこともあります。
それでも中心となる人物が存在しない混沌とした状況よりは余程マシなのかもしれません。

歴史は両雄並び立たずの世界

歴史を勉強していると、国同士の争いが多々あることがよく分かります。争いの理由も多種多様で、自国の領土を広げたいとか、他国の行動に反感を覚えたなど、色々あります。ただその中でも興味深いと思ったのが『A国を倒すためにB国とC国が手を組んだ』のに、今度は『B国を倒すためにC国とD国が手を組んだ』といったことです。なぜ以前に手を結んだ国を倒そうとするのでしょうか。答えは簡単で『利害が一致しているから、争いの時だけ手を組む』のです。

先の例でいうと、B国の勢力だけでA国に戦いを挑んでも負けてしまいます。もちろんC国がA国を倒そうとしても負けてしまいます。そこでA国に反感を抱いているB国とC国が力をあわせることでA国を倒す、ということなのです。しかしA国がいなくなって、次にB国がC国にとって余計な存在になってしまうと、C国はB国を倒そうとします。しかしC国の勢力だけではB国に勝てそうではない場合、C国はB国を倒そうとしている国を探します。こうしてD国もB国が嫌だと知ったときに、C国とD国が手を結んでB国を倒す、という流れが生まれるのです。

このようにして幾度となく国同士が手を組んで戦い続けるのが、地球上の歴史にあります。もしもある2つの国があったとして、どちらの国にも立派な軍師や英雄がいたとしても、両雄並び立たずというように、争いが起きてどちらかの国が倒れてしまうのではないでしょうか。