「矢面に立つ」とは、激しい批判や攻撃の真っ正面に立って、それを受けることを意味する慣用句です。
語源
「矢面」は、弓矢で射ってくる矢が飛んでくる正面を意味します。戦場において、矢の飛んでくる正面に立つことは、最も危険な場所であり、多くの場合命を落とすことを覚悟しなければなりません。
使い方
「矢面に立つ」は、以下のような場面で用いられます。
- 企業の不祥事において、責任者や広報担当者が記者会見などで批判を受ける
- 政治家が、国民からの反発や野党からの攻撃を受ける
- スポーツ選手が、試合中のミスでチーム全体から批判を受ける
例文
- 社長は、今回の不祥事の責任を一身に背負い、矢面に立って謝罪した。
- 大臣は、不適切発言の責任を認め、矢面に立って批判に答えた。
- エースピッチャーは、試合終盤の失点で矢面に立った。
類義語
- 風当たりが強い
- 槍玉に挙げられる
- 批判の集中砲火を浴びる
- 攻撃の標的となる
対義語
- 責任を逃れる
- 知らん顔をする
- 責任を転嫁する
英語表現
- face the brunt of criticism
- be in the firing line
- take the heat
- bear the brunt of the attack
注意点
「矢面に立つ」は、批判や攻撃を受ける対象が、必ずしも悪いことをしたとは限りません。正義のために戦う人や、困難な課題に挑戦する人なども、批判や攻撃を受けることがあります。
補足
「矢面に立つ」は、漢字で「矢面」と書くのが一般的ですが、「矢表」と書くこともあります。「矢表」は、「矢面」の俗字とされています。