「亭主関白」(ていしゅかんぱく) とは、妻と家庭を支配する夫を指す日本独自の言葉

「亭主関白」(ていしゅかんぱく) とは、妻と家庭を支配する夫を指す日本独自の言葉です。これは、過去の家父長的な性役割を反映した伝統的な日本概念であり、夫が家長としてすべての決定権を持っていました。

「亭主」(ていしゅ) は「夫」または「主人」を意味します。「亭」は「家」または「建物」、「主」は「主人」または「支配人」を表す漢字です。

「関白」は「摂政」または「右大臣」を意味します。もともとは、平安時代 (794-1185) に天皇が幼少であったり傀儡であったりしたときの、摂政という強力な地位を指していました。「亭主関白」では、夫の妻や家庭に対する権威を強調するために用いられています。

「亭主関白」という概念は、儒教の価値観が強く浸透していた江戸時代 (1603-1868) に日本中で一般的でした。このような価値観の下では、男性は家計を支える人や家族の保護者と見なされ、女性は夫に服従することが期待されていました。

現代の日本では、「亭主関白」という概念はかつてほど広く支持されていません。女性は社会的により平等になり、多くの家庭では家事や育児、意思決定を夫婦で協力して行うようになっています。しかし、この言葉は今でも、過度な支配力を持つ夫のことを指すのに使われることがあります。

「亭主関白」という言葉の使い方の例をいくつか紹介します。

「うちの亭主は亭主関白で、家事や育児も何も手伝ってくれない。」(うちのお父さんは亭主関白で、家事や育児を手伝ってくれない)
「亭主関白は時代遅れだと思う。夫婦は対等であるべきだ。」(亭主関白は時代遅れだと思う。夫婦は対等な関係であるべきだ)
「彼は亭主関白なところがあるけど、根は優しい人なんだ。」(彼はちょっと亭主関白なところがあるけど、本当は優しい人なんだ)

「亭主関白」という言葉は、ユーモラスに軽快に用いられることが多く、必ずしも文字通りに受け取られるわけではないことに注意が必要です。しかし、この言葉の歴史的・文化的背景を認識し、思いやりを持って使うことも重要です。

参考URL:
「亭主関白」とはどんな意味? モラハラとの違いは? 特徴や対応を紹介 | Oggi.jp