「君子は豹変す」は、立派な人物は、自分が誤っていると分かれば、心を入れ変え、行動の上でも変化がみられるようになるという意味の四字熟語

「君子は豹変す」は、立派な人物は、自分が誤っていると分かれば、心を入れ変え、行動の上でも変化がみられるようになるという意味の四字熟語です。

解釈

この言葉は、中国の古典籍である『易経』革卦から由来しています。革卦は、古い皮が剥ぎ取られ、新しい皮に生まれ変わる様子を表しており、変革や進歩を象徴する卦とされています。

「君子は豹変す」という言葉は、君子と呼ばれる人格者が、過ちを犯したことに気づけば、すぐに改心し、より良い方向へと変化していくという意味合いを持っています。豹は、秋になると毛皮が抜け替わり、模様が鮮やかに変化することから、君子の心身の変化を例えた表現となっています。

現代における解釈

現代においては、「君子は豹変す」という言葉は、柔軟性や適応力の重要性を表す言葉として解釈されることもあります。時代や状況の変化に合わせて、自分の考えや行動を変えていくことができる人は、成功や成長を掴みやすいと言われています。

注意点

近年では、「君子は豹変す」という言葉が、節操がなく変わり身が早いという意味で使われることもあります。しかし、本来の意味はポジティブなものであり、過ちを改め、より良い自分へと成長することを表しています。

使い方

「君子は豹変す」という言葉は、様々な文脈で使用することができます。例えば、以下のような場合に使われます。

  • 自分自身を戒める言葉として: 過去の失敗を反省し、より良い方向へと変化しようと努力している自分自身を励ます際に、「君子は豹変す」という言葉が使われます。
  • 他人への期待を込めた言葉として: 困難な状況に直面している人に対して、諦めずに努力し、変化していくことを期待する際に、「君子は豹変す」という言葉が使われます。
  • 時代の変化を表現する言葉として: 時代や状況が大きく変化している状況を表現する際に、「君子は豹変す」という言葉が使われます。

  • 過去の失敗を反省し、今度こそは成功したい。君子は豹変すという言葉通り、生まれ変わってみせる。 (Kako no shippai o hansei shi, konodomo wa seikō shitai. Kunshishi hyōhensu to iu kotoba dōri, umarekawattte miseru.)
  • 彼は、病気をしてから考え方が大きく変わった。まさに君子は豹変すである。 (Kare wa, byōki o shite kara kangaegata ga ōku kawatta. Masani kunshishi hyōhensu de aru.)
  • 現代社会は、変化のスピードが速い。君子は豹変すの精神で、常に新しいことに挑戦していく必要がある。 (Gendai shakai wa, henka no spīdo ga hayai. Kunshishi hyōhensu no seishin de, tsūzoku atarashī koto ni chōsen shite iku hitsuyō ga aru.)

その他

「君子は豹変す」という言葉は、中国のことわざが起源とされています。中国では、古くから「君子豹変、小人革面(くんしひょうへん、しょうじんかくめん)」という言葉が使われており、「立派な人物は豹のように変化し、卑しい人物は表面だけを変える」という意味です。「君子は豹変す」という言葉は、「君子豹変、小人革面」という言葉をもじったもので、より簡潔な表現となっています。

全体として、「君子は豹変す」という言葉は、過ちを改め、より良い自分へと成長することの大切さを表す言葉です。

参考URL:
君子(くんし)は豹変(ひょうへん)す | 今週のことわざ(三省堂辞書編集部) | 三省堂 ことばのコラム