「羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)」は、過去の失敗に懲りて、必要以上に用心深くなることのたとえ

「羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)」は、過去の失敗に懲りて、必要以上に用心深くなることのたとえです。

意味

  • 過去の失敗に懲りて、必要以上に用心深くなることのたとえです。
  • 熱々の羹(あつもの)で口を火傷した経験から、冷たい膾(なます)まで息を吹きかけて冷ましてから食べるほど、必要以上に用心する様子を表現しています。
  • 必要以上に慎重になりすぎて、かえってチャンスを逃してしまうことを戒める言葉です。

語源

「羹に懲りて膾を吹く」の語源は、楚辞九章に記載されている故事です。

この故事によると、楚の屈原(くつげん)という人物が、王の側近から讒言され、追放されてしまいます。

屈原は、王に忠誠を尽くしていたにもかかわらず、讒言によって誤解され、追放されてしまったことに深く悲しみ、川に身を投げてしまいます。

この故事から、「羹に懲りて膾を吹く」という言葉が生まれました。

使い方

「羹に懲りて膾を吹く」という言葉は、主に 必要以上に慎重になりすぎて、かえってチャンスを逃してしまうことを戒める際に使われます。

例文

  • 例文1: 新しいことに挑戦するのを怖がるのは、「羹に懲りて膾を吹く」ようなものだ。(Atarashii koto ni chōsen suru no o kowagaru no wa, "atsuものにこりてなますをふく" no yōna mono da.) - 新しいことに挑戦するのを怖がるのは、「羹に懲りて膾を吹く」ようなものだ。
  • 例文2: 失敗を恐れて何もしなければ、何も成長できない。「羹に懲りて膾を吹く」にならないように注意しよう。(Shippai o osorete nani moしなければ、nani mo seichō dekinai. "Atsものにこりてなますをふく" ni naranai yō ni chūi shiyō.) - 失敗を恐れて何もしなければ、何も成長できない。「羹に懲りて膾を吹く」にならないように注意しよう。
  • 例文3: 彼は、過去の失敗に懲りて、新しいプロジェクトに慎重になりすぎていた。「羹に懲りて膾を吹く」ようなものだ。(Kare wa, kako no shippai ni korite, atarashii purojekuto ni shōchō ni nariすぎていた。"Atsものにこりてなますをふく" no yōna mono da.) - 彼は、過去の失敗に懲りて、新しいプロジェクトに慎重になりすぎていた。「羹に懲りて膾を吹く」ようなものだ。

類義語

  • 杞憂(きゆう)
  • 臆病(おくびょう)
  • 慎重(しんちょう)
  • 過剰反応(かじょうはんのう)
  • トラウマ

英語表現

英語では、「羹に懲りて膾を吹く」に相当する単一の表現はありませんが、状況に応じて以下のような表現を使い分けることができます。

  • Be overly cautious: 必要以上に慎重になる。
  • Let past mistakes hold you back: 過去の失敗に囚われる。
  • Be afraid to take risks: リスクを恐れる。
  • Miss opportunities: チャンスを逃す。
  • Be paralyzed by fear: 恐怖に怯える。

その他

「羹に懲りて膾を吹く」という言葉は、日本古来から使われてきたことわざです。

現代社会でも、様々な場面で使われる表現です。

新しいことに挑戦したり、リスクを恐れないことは、人生において重要です。

しかし、過去の失敗から学ぶことも大切です。

「羹に懲りて膾を吹く」にならないように、過去の失敗を教訓にしながら、積極的に行動していくことが大切です。

参考URL:
羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書