前門の虎、後門の狼

【漢字】前門の虎、後門の狼
【読み】ぜんもんのとらこうもんのおおかみ
【意味】前門で虎遭遇して逃げ、今度は後門に狼が現れるたとえから、一つの災難を逃れてホッとする間もなく、またすぐに他の災難に見舞われる。
【例文1】せっかく洗い物が終わったかと思えば、子ども達の弁当箱がテーブルに置いてあり、前門の虎、後門の狼だ。
【例文2】子ども達が次から次に熱を出し、前門の虎、後門の狼だ。
【例文3】卒業・入学の繰り返しで家計が前門の虎、後門の狼だ。

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逆にした方がもっと怖い「前門の虎、後門の狼」

「前門の虎、後門の狼」というのは、比較的よく使われることわざと言っていいでしょう。私も、2つの大きな問題を抱えている時などに、使うことがあります。
私は「虎と狼に挟み撃ちにされた状態のような大ピンチ。絶体絶命」というような意味に解釈していました。間違いというわけではないでしょうが、このことわざは「絶体絶命」ではなく、「一難去ってまた一難」の意味に解釈されることもあうようですね。
このことわざの出典は趙弼の『評史』 。「前門に虎を拒(ふせ)ぎ、後門に狼を進む」という一節で、意味は「表の門で虎の侵入を防ぐ時、裏の門から狼が侵入してくる」ということになります。
「拒ぎ」を、「防いでいる時」と解釈すれば、「絶対絶命」の意味に近くなるでしょうし、「防いだと思ったら」と解釈すれば「一難去ってまた一難」という意味になるでしょう。
私は、前者の意味に解釈していたわけです。
ところで、後者の意味に解釈するとすれば、この二つの動物を入れ替えたほうが、より恐怖心は増すのではないでしょうか。
「前門の狼、後門の虎」。つまり、「なんとか狼の侵入を防いだと思ったら、なんと後ろの門から虎が入ってきた」という意味になります。明らかに狼よりも虎の方が大物ですから、その災難のスケール、恐怖心はより大きくなるに違いありません。