志を立てる

【漢字】志を立てる
【読み】こころざしをたてる
【意味】目標を持って成し遂げようとする気持ち。
【例文1】彼は18歳の時から起業すると志を立てた。
【例文2】志を立てると意欲がわく。
【例文3】家庭を持ち志を立てる。

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「志を立てる」玄奘三蔵法師

「志を立てる」とは「目的を決め、必ず実現しようと心に誓うこと」です。「志を立て」実行した人の中に玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)法師がいます。彼は8歳のころからお経を父から学び、10歳で父が亡くなると兄が出家して暮らしていた浄土寺でお経を学び始めます。浄土寺で度僧の募集がかかりますが、玄奘は年が若く受験すらできません。それで彼は門の所で試験役の僧を待ち受けます。事情を話すと「なぜ僧になりたいのか」と問われます。「遠くは如来を紹し、近くは遺法を光らせたいから」と答え、これに感じ入った僧は、「この風骨は得がたいものだ」と特例として受け入れ、兄と一緒に浄土寺に住むことになります。629年の21歳の時、玄奘は仏典の研究には原典に拠るべきであると考え、仏跡巡りを兼ねてインドへ行こうとしますが、唐王朝から出国の許可がおりず、密出国します。巡礼や仏教研究を行って16年後の645年に経典657部や仏像などを持って無事に戻ります。唐では太宗の時代になっており、玄奘三蔵法師は密出国を咎められることもなく、彼の業績は太宗に高く評価されました。以後、翻訳作業で従来の誤りを正し、法相宗の開祖となりました。また、このインドへの旅を地誌『大唐西域記』として著し、「西遊記」のもととなります。彼のお蔭で日本には正しい訳の経典が伝わったのです。