朝三暮四

【漢字】朝三暮四
【読み】ちょうさんぼし
【意味】猿に与えるトチの実が無くなりかけた時、明日から朝3個、夕暮れに4個にすると言ったら怒ったため朝4個、夕暮れ3個にしたら、気づかなかった例えから、結果は同じであっても気づかない愚か者という意味。
【例文1】一時給付金が支給されても手当てが減ったのでは、素直に朝三暮四で喜べない。
【例文2】パチンコで昨日10万負けたが、今日は10万勝って喜んで朝三暮四だ。
【例文3】古い車をただでもらって朝三暮四だ。

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「朝三暮四」を「する側」と「される側」の2つの意味

故事成語の中でも、「朝三暮四」というのはおもしろい使い方をされる言葉と言っていいでしょう。
その話をする前に、この言葉の由来をかんたんに説明しておきます。中国の春秋時代のこと、宋の国に狙公と言うおじいさんが住んでいました。このおじいさん、大変に猿好きで、たくさんの猿を飼っていたと言います。
ところが、猿の数が増えすぎてエサ代がかさみ、家計にまで悪い影響を与えることに。このままにはしておけないと思ったおじいさん、エサを減らすことにしました。
そして、猿たちに「今後はトチの実を、朝に3個、夕方に4個あげることにする」と伝えたところ、エサを減らされた猿たちは激怒。
そこで、おじいさんは「じゃあ、朝に4個、夕方に3個にする」と言い換えると、猿たちは納得したのでした。
「朝、4個もらえるならいいや」と考えた、猿ならではの浅知恵ということになるでしょう。
そこから「朝三暮四」という言葉が生まれたわけです。
さて、では、どうしてこの故事成語がおもしろいのかと言うと、この言葉は「おじいさんサイド」と「猿サイド」の2つの別の意味で使われているのです。
この故事成語の1つめの意味は、「相手をうまく言いくるめてごまかす」。これは、「おじいさんサイド」に立った意味です。
もう1つの「目先の得にこだわり、結局は得になっていないことに気づかない」という意味は、「猿サイド」に立ったものということになるでしょう。
「朝三暮四」を「する側」と「される側」の2つの意味があるところに、この言葉のおもしろさがあるのです。