「弱冠」は、本来は男性20歳の異称を意味する四字熟語です。
古代中国の周代では、男子20歳を「弱」といい、元服して冠をかぶる年齢であったことから、「弱冠」と呼ばれるようになりました。
日本では、江戸時代頃から成人としての自覚を持つ年齢として使われるようになり、現在では「若い」という意味合いで広く使われています。
現代における「弱冠」の使い方
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年齢の若い人を指す場合:
弱冠20歳にして、彼はすでに一流企業の社長に就任した。
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比喩的に、経験不足や未熟さを表す場合:
まだ弱冠の私には、彼の深い考えは理解できない。
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謙遜の言葉として使う場合:
弱冠の身ではございますが、精一杯努力いたします。
注意点
- 「弱冠」は、男性に対してのみ使われる言葉です。女性に対して使う場合は、「弱齢」や「初々しい」などの表現を用いるのが適切です。
- 近年では、「弱冠」という表現はやや古臭いと感じる人もいるため、状況に合わせて使い分けることが大切です。
類義語
- 青年
- 若者
- 少年
- 初年
- 若輩
対義語
- 老年
- 高齢
- 老境
- 古稀
- 白寿
「弱冠」は、歴史と伝統を感じさせる四字熟語です。適切な場面で使えば、文章に深みを与えることができますので、ぜひ覚えておきたいですね。